【MWC 2015 Vol.59】ドルビーのヘッドホンサラウンド技術「Dolby Atmos」をレノボ端末が採用 | RBB TODAY

【MWC 2015 Vol.59】ドルビーのヘッドホンサラウンド技術「Dolby Atmos」をレノボ端末が採用

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Dolby Atmosのコンテンツをモバイル向けに最適化したソースによるデモを体験
Dolby Atmosのコンテンツをモバイル向けに最適化したソースによるデモを体験 全 7 枚
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 MWC 2015に出展しているドルビー・ラボラトリーズは、招待ジャーナリストを対象としたプライベートセミナーを開催。サラウンド技術「Dolby Atmos」を拡張したモバイル版技術のデモと説明を実施した。

■Dolby Atmosの対応製品が拡大。レノボからスマホとタブレットが登場

 ドルビーラボラトリーズが開発した「Dobly Atmos(ドルビーアトモス)」は、従来は“5.1チャンネル”や“7チャンネル”など、チャンネル数をベースに構成されていたサラウンド・サウンドの概念から視座を変え、サラウンド成分の音の位置情報や音量の変化などを「オブジェクト」情報として記録しておくことで、より自然で立体的な音場感を実現するという新しいサラウンド技術だ。

 昨年のMWC 2014で、ドルビーはこの「Dolby Atmos」をスマホやタブレットなどモバイル端末に最適化したバージョンの技術を初めて展示して話題を呼んだ。これに続く形で、昨年末にはいわば“モバイル版”の「Dolby Atmos」に対応した初のタブレットとして11月にAmazonから「Fire HDX 8.9」が発売された。

 今年のMWC 2015では、モバイル版「Dolby Atmos」の対象製品のファミリーに、新しくレノボが発表したタブレット「TAB 2 A10-70」「TAB 2 A8」、スマートフォン「A7000」が加わったことが明らかにされた。「A7000」には、Dolby Atmosに対応する最初のスマートフォンでもある。

 ドルビーのブースでは、レノボ「A7000」にインストールされたDolby Atmosのデモコンテンツを使ったデモが体験できた。Dolby Atmosの体験を得るためには、Dolby Atmos対応のエンコード処理されたコンテンツに加え、ハードウェア、またはソフトウェアの形で提供されるデコーダーを搭載する機器、およびヘッドホンが必要になる。

 レノボのスマートフォンにはソフトウェアタイプの対応デコーダーが搭載された。またヘッドホンについては、特段Dolby Atmos対応である必要がなく、ノーマルなヘッドホンやイヤホンでも効果が得られる。今回のデモ環境で実際に使われていたのはゼンハイザーの「HD 558」というミドルクラスのモデルで、電気的な機構を持たない普通のパッシブタイプのヘッドホンだ。

 効果音がリスナーの周囲を移動するスピードや位置がリアルに伝わってくるデモであり、音の位置関係がクリアになることから、雨が地面を打つ音や鳥のさえずりなど、環境音の透明感や粒立ちにもより一層のメリハリが生まれてくる。

 デモの説明を担当したドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーションのE-Media Business Group SVPであるJohn Couling氏は、「元の音源がステレオであっても、5.1chであろうとDolby Atmosに変換できるコンバーターツールもレノボのA7000には用意されている」という。ただし、あくまでアルゴリズムによる変換処理となるため、よりリアルなDolby Atmosの体験を得るためには、やはり専用のエンコーディング処理をかけたディスクリートの素材が必要になる。

 では、モバイル端末で楽しめる「Dolby Atmos対応のネイティブコンテンツ」はどのようにして入手ができるのか。「現状はインターネット経由で提供されるOTTコンテンツとしては用意がない。いつのタイミングか具体的に明言はできないが、ローンチに向けて準備を進めているところだ」とCouling氏は語る。
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《山本 敦》

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