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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第71回 VAIOスマホがこけたら日本のスマホはもう終わり

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VAIOの関取高行社長。PC発表会にて
VAIOの関取高行社長。PC発表会にて 全 2 枚
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■端末のリーク情報さえ乏しい状況に不安は募るばかり

 iPhoneなど、世界で人気を博すスマホに関しては、発表前に様々なリーク情報がネット上に流出するようになるが、残念ながらVAIOスマホに関しては、こうした情報が乏しい。

 1月30日の日本通信決算発表の壇上で、同社の三田聖二社長は「Appleに次ぐブランド力を持つVAIOを提供することで、今のMVNO市場の問題を解決できる。発売がずれ込んだが、最先端の技術を搭載しグローバルに通用するVAIOのスマートフォンを、今年5月のSIMロック解除義務化の直前に発売できることは、むしろ絶好のタイミングだといえる」と、VAIOスマホに強い自信と、端末としての完成度への期待を持たせていた。

 はたして、ユーザーを満足させる新機軸が搭載されるのであろうか。筆者は格安スマホを否定するつもりは無い。より安価にスマホを使ってみたいという潜在的ユーザーはそれなりに居ると思っている。しかしながら、「MVNO=格安」という図式には疑問を持っている。MNOに対して「安さ」だけが売りのMVNOには将来はないと思っている。現実として、既存MNOが独自の格安ブランドチャンネルを作ろうとしている(KDDIの「UQモバイル」など)。MNOが格安に走れば、MVNOはひとたまりもない。だからこそ、MVNOにも低価格を売りにせず、独自のブランドを確立するための秘策が必要である。日本通信が、「VAIO」という世界に知られるブランドと提携してオリジナル端末の供給に打って出ることは大いに評価したい。その一方で、「VAIO」のブランドを傷つけるような製品として評価されてしまった場合、これこそ日本のスマホ業界は未来を失いかねない事態になる。日本通信とVAIO株式会社は日本のスマホ業界の未来を背負っているという責任をはたしてもらいたい。
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《木暮祐一》

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