モバイル×テレビによるブランド戦略とは……動画配信サービス「dTV」がスタート | RBB TODAY

モバイル×テレビによるブランド戦略とは……動画配信サービス「dTV」がスタート

ブロードバンド 回線・サービス
エイベックス通信放送株式会社 取締役 村本理恵子氏
エイベックス通信放送株式会社 取締役 村本理恵子氏 全 6 枚
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 エイベックス通信放送が運営し、NTTドコモのdマーケットが提供する定額制動画配信(SVOD)サービス「dビデオ powered by BeeTV」が22日、「dTV」(ディー・ティービー)として新たなスタートを切った。今回のブランド戦略の意図と新サービスの特徴について、エイベックス通信放送の村本理恵子氏に話を聞いた。

■モバイルからテレビとの融合を深めるブランド戦略

 エイベックスは2000年代後半、多くの人々が映像エンターテインメントを楽しむスクリーンが映画からテレビ、そしてモバイル端末へと移り変わって行くであろうという見通しを立て、モバイル端末向けの動画配信サービスという新カテゴリーのプロジェクトを発起した。さらにそのアイデアをともに具現化できるキャリアを求めたエイベックスが、NTTドコモの扉を叩いたことでパートナーシップが実現した。こうして2009年にフィーチャーフォン向けの動画配信サービス「BeeTV」が開始。時期を同じくして、エイベックスとNTTドコモによる合弁会社であるエイベックス通信放送が設立され、同社がコンテンツの制作からサービスの運営を展開することとなった。

 やがてBeeTVは「dビデオ powered by BeeTV」へと進化を遂げ、NTTドコモによるdマーケットのプラットフォームで提供。本サービスは22日スタートした「dTV」へリニューアルされるまで、国内外の映画やドラマ、アニメ、音楽など約12万作品を、月額500円(税別)・見放題で提供しながら、スマホやタブレットで楽しめる国内最大級のVODサービスとして多くのユーザーを集めてきた。ちなみに昨年4月1日に「dビデオ」はキャリアフリー化され、ドコモユーザー以外も認証用ID「docomo ID」さえ取得すれば、他社製端末でも楽しめるようになっている。

 今回「dTV」へとブランドを変える主な狙いについて、村本氏は次のように語っている。

 「BeeTVがスタートした当初に比べて、今ではユーザーのスクリーン端末がスマホやタブレットに変わり、さまざまなエンターテインメントをアプリで楽しむスタイルが定着しました。メディアの情報発信や通信環境、人々の時間の使い方も様変わりしています。当社ではBeeTVの頃から、その時々で主流の端末でのベストな映像エンターテインメント体験を提供するべきだと考えてきました。dビデオはスマホやタブレットで快適に楽しめるサービスとして成長してきましたが、一方で家庭のメインスクリーンであるテレビとの連携をもっと強める必要がありました。最近ではブロードバンド環境がより整備され、スマートテレビの普及も進んだことから、VODとテレビの連携を押し進めるのに絶好のタイミングが訪れたと考えました。様々なスクリーンデバイスがある中で、私たちのフォーカスはテレビにあるという意図を込めて、“dTV”という名称で新ブランドを立ち上げました」

 BeeTVは「世界で一番小さい放送局」をうたいつつ、オリジナルドラマの制作などにも力を入れてきた。dビデオではさらにビデオレンタル系のサービスも含めて多角化を図り、様々な経験値やノウハウを蓄積してきた。その流れを踏まえながら、改めて原点である動画配信を基軸としたサービスモデルに立ち返ろうとする意志もあったのだと村本氏は振り返る。

 スマホやタブレットなど、フィーチャーフォンに比べれば格段に高精細でサイズの大きなスクリーンを搭載する端末が普及したことで、動画配信は以前よりもはるかに便利なサービスになった。通勤時間や待ち合わせの空き時間に、街中ではスマホを携えて動画を鑑賞する人の姿も多く見かける。片や「dTV」では、帰宅後にもリビングのテレビを使って、スマートに動画配信コンテンツを楽しんでもらうための仕掛けにも腐心している。村本氏は「dTVの新しいユーザーインターフェースや端末には、映像との接点をもっと広げて欲しいという提案が込められています」と述べる。
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《山本 敦》

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