ソニーの技術を活かしたドローンが誕生へ……ZMPと新会社エアロセンス設立 2ページ目 | RBB TODAY

ソニーの技術を活かしたドローンが誕生へ……ZMPと新会社エアロセンス設立

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ソニーモバイルの十時氏(左)とZMPの谷口氏(右)
ソニーモバイルの十時氏(左)とZMPの谷口氏(右) 全 10 枚
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 エアロセンスの事業内容については、現ZMPの社長であり、新会社エアロセンスの社長を兼務する谷口恒氏が壇上で説明を行った。

 ZMPはこれまで家庭用の自律活動ロボットや自動車の自動運転をコア技術として磨き上げてきた会社だ。培ってきたノウハウは、鉱山建設、農業機械の現場で採用されてきたほか、荷物の運搬に用いる台車にロボット技術を組み込んだ製品「キャリロ」を開発した実績もある。また関連会社ではロボットタクシー車のサービスを提供するなどロボット技術を中心に事業の幅を広げてきた。「これらはすべて陸上のソリューションだったが、エアロセンスを通じて空へとフィールドを広げられることが楽しみだ。ソニーとZMPが単体ではできなかったことを、ジョイントベンチャーになってかなえていきたい」と谷口氏は意気込む。

 同社では産業用UAVの活用をBtoB向けを中心に提案。ハードウェアとソフトウェアの両方を手掛けられることが同社の強みであり、共通のワークフローをプラットフォーム化してさまざまな領域に拡げていく。

 一例としては自律飛行型のUAVを飛ばして建築現場の模様を計測。得たデータをそのまま高速にクラウドへアップロードしながら解析を加え、顧客にとって価値あるデータのかたちに整えて提供するという、一括したソリューションを実現したいと谷口氏はビジョンを語る。

 UAVやドローンに関連するビジネスには、国内・海外の先行事業者があり、エアロセンスは先行するライバルを追いかける立場になる。谷口氏は、エアロセンスならではの強みは「自律型ロボット」の開発ノウハウにあると強調する。

「フライトパスを自動生成し、自動での離着陸や飛行が可能だ。高精細な写真を自動で撮影することもできる。これらはすべて当社がユニークな競争力としてアピールできる部分になると自負している。さらに環境認識技術により、GPSが届かないところでも認識できる技術を開発していきたい」(谷口氏)

 本日の記者会見ではエアロセンスが開発を進めるマルチコプター型UAVの試作機も発表。製品の特徴はエアロセンス 取締役CTOの佐部浩太郎氏が説明を担当した。

 佐部氏は、エアロセンスがUAVを開発する際に重視する3つのポイントを紹介。飛行操作は人間が操縦するタイプではなく、機械が自律飛行しながら、撮影も全て自動でできる製品を目指す。そのメリットについては「ヒューマンエラーによる事故が高い確率で防げるようになる安全性の向上と、操縦のために人が係る手間や時間が不要になるコストパフォーマンスの高さ」であると指摘する。

 さらに撮影された画像など、UAVを飛ばして得たデータの活用提案についても独自の知見を加えながら自動化し、使いやすさを高めていくことが大事とした。また3つめのポイントとして、ソニーとZMP両社の技術資産を活用していくことの視点を挙げた。
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《山本 敦》

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