【マイナンバーQ&A】副業が会社にバレることはあるの?<個人編>
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ただ、マイナンバー制度に関する具体的な内容への理解や認識については、まだまだ浸透していないのも事実だ。そこで本コラムでは、制度に詳しい専門家が素朴な疑問に対して回答。今回は、税理士・ファイナンシャルプランナーの大黒たかのり氏が解説する。
[質問]
副業をしていた場合、マイナンバー制度の導入によって会社にバレますか?
[回答&解説]
マイナンバー制度の導入により、本業の勤務先に副業が知られてしまうのではないかという不安が大きいようです。ただ、結論から言ってしまうと、マイナンバー制度の導入が原因で副業がバレるということはないと言えます。今回はその理由や仕組みなど、マイナンバーと副業というテーマについて考えていきたいと思います。
会社が従業員の副業を認識するのは通常、住民税の通知です。住民税の通知の流れは下記の通りです。
【1】年末調整後、会社が従業員の住んでいる市区町村へ源泉徴収票を提出します。
【2】確定申告後、税務署が従業員の住んでいる市区町村へ確定申告書を提出します。
【3】上記の【1】あるいは【2】の所得データをもとに、市区町村が住民税額を計算し、勤務先の会社へ通知します。
【4】会社は、上記【3】の通知を確認し、毎月給与から住民税を控除します。
ポイントは、【4】の「確認」です。会社は従業員の給与を知っていますので、ある程度、住民税額の予想ができます。通知された住民税額が想定よりも多い場合は、何かイレギュラーな収入があったのではないかと考えます。
市区町村から送付される住民税額の通知書には、所得の内訳が記載されます。会社の給料以外に何か収入があれば一目で判明。ちなみに、アルバイトなどで年末調整をしていなくても、会社は源泉徴収票を税務署と市区町村へ提出します。
■バレてしまうのは「税務署」
マイナンバーで恩恵を受けるのは、税務署や市区町村でしょう。税務署や市区町村は従来、このような所得を捕捉することは非常に困難でしたが、名寄せが簡単にできるため、捕捉しやすくなります。
会社員で年収2,000万円以下かつ主たる給与以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要という制度があります。しかし、これは所得税の特例で、住民税にはありません。住民税の確定申告は必要になります。
従来からきちんと確定申告している人にとってはマイナンバーが導入されても以前と変わりません。
アルバイトやパートなどは給与所得になるので、これらを副業にしている場合は、本業分と副業分の住民税は別々に支払うことができないので、本業の会社に知られてしまいます。
副業の個人事業で赤字となった場合、本業の給与と相殺され、住民税が極端に少なくなりますが、そのまま会社へ通知されますので、バレる可能性が高いと言えるでしょう。
《大黒たかのり》
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