【連載・視点】地域の資産を有効活用!下諏訪で生まれた「温泉ストーブ」
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実際に温泉ストーブがどれだけ有難いものなのか?それは寒さの厳しい地域に住んでいる人ではないとわからない部分も多い。下諏訪に住んで38年になる上脇さん(72歳)は、奥さんと2人暮らし。一戸建ての家は、1階は広めのリビングと台所、2階は3部屋がある。11月の中旬に取材した当日、町内ではストーブを炊くいているところもあった。上脇さんの家ではすべての部屋の扉を解放していたが、石油ストーブは使わず、温泉ストーブのみだったのは驚きだ。それでも室温は21.8度を保っていた。床暖房も入れているが、こちらも使っていないとのことだった。「今までは、寝る時にはストーブは最低にして朝起きたら温度を上げなければいけなかったんです。また、何日か外出する時には石油ストーブを消して外出する必要がありました。家に帰ってきたときには部屋は冷え切っており、コートを着たままで暖房をつけるということがよくありました」と上脇さんは振り返る。今では外出するときは、温泉ストーブは常につけっぱなし。それでも火事なる心配もない。燃料はかけ流しの温泉なので、暖房費を心配する必要もない。「朝と留守時の寒さを気にする必要ななくなった」ことが、精神的にも物理的にも一番有難いと話す。北国出身の筆者には、この有難さが非常によくわかる。石油ストーブを使っていると、暖房をつけっぱなしで数日外出することは考えられない。帰宅した時のあの寒さと部屋が暖まるまでの時間のかかり方は身に染みている。「昔、狭い社宅でアラジンひとつで我慢していたのを思い出します。あのころ、これがあれば良かった」と奥さんも振り返る。
太田さんは新製品を作ることの難しさを次のように話す。「(一番の障害は)周りの理解です。できないと思いこんでいる人たちにこういうことをやりたいんだといってもなかなか伝わらないんです」と。プロジェクトから製品が生まれた今、太田さんは「最終的にはもっと普及してほしいです。温泉が出ている地域はエネルギー自給率が高いという認識ができてほしい。その土地のできごととして、温泉が湧いているところは石油が湧いているのと同じだ、という感覚になってくれれば変わってくると思います」と話している。
《RBB TODAY》
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