家庭用電力「ENEOSでんき」が発表……50万件の顧客獲得を目指す
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■「ENEOSでんき」の狙い
記者説明会の冒頭、JXエネルギー 取締役 常務執行役員リソーシズ&パワーカンパニー・プレジデントの原享氏が登壇してサービスの狙いについて説明した。「これまで石油精製の販売などを通じて、エネルギーを安定供給する企業として、130年に渡り社会に貢献させていただいてきた」と原氏。今春の電力小売全面自由化に際しては、新たに「ENEOSでんき」を提供することで、「より身近な総合エネルギー企業としてのポジションを獲得し、またENEOSブランドの価値を高めて、さらに発展させていきたい」(原氏)という。
ENEOSでんきのサービス対象エリアは、当面は現在の東京電力管内になる見込み。他社にはない強みとして、原氏は「石油、石炭、天然ガスなど幅広いエネルギーを取り扱うノウハウを蓄積していること、全国にインフラや販売チャンネルを有していることなどを挙げ、「電気事業拡大のポテンシャルは大きい。電気の販売を通じて顧客価値を向上していける」と言葉に力をこめる。発電に関しては、販売向けの専用発電所である川崎天然ガス発電所を所有。「業務用には、すでに安定的に電力の販売を行っている」と、これまでの実績をアピールした。ちなみに2014年度の販売実績は約15億kWhで、家庭用に換算すると約50万世帯に相当するという。
■プランは1種類のみ
続いて同社 リソーシズ&パワーカンパニー電気事業部長の大村博之氏が登壇し、サービスの詳細を説明した。4月に同社が提供する料金プランは「Aプラン」ひとつ。大村氏は「分かりやすくシンプルに、1種類にした。これに長期割引などの各種割引や、特典を付けていく」と説明した。
従量料金は三段階になっており、電気使用量の多い家庭ほど大きな価格メリットが得られる仕様。逆に120kWhに満たない場合は、現在の東京電力の従量電灯B/Cと比較して7%高くなる。「三段目の料金を大幅に下げた。東京電力管内の2/3のご家庭に、価格メリットが出る料金設定になっている。お得感ではトップクラスと認識している」と大村氏。
同社が試算したモデルケースでは、1か月の電気料金の平均が約8,200円の家庭の場合、年間で約4,900円安くなる。同様に1か月の電気料金の平均が約14,100円の家庭なら、年間で約15,000円の節約が可能だという。大村氏は「ENEOSでんきでは、他の商材とセットにしなくても充分にお得が感じられる」と紹介した。
《近藤謙太郎》
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