電力自由化のカギを握るのは?“お得な電力”を選ぶポイントを「新電力EXPO」で探ってみた 2ページ目 | RBB TODAY

電力自由化のカギを握るのは?“お得な電力”を選ぶポイントを「新電力EXPO」で探ってみた

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■ビッグデータを活用した新サービスを計画する「東京電力」

 東京電力もすでに新料金メニューを発表、先行受付を開始しているが、従来のプランに加えて消費者のライフスタイルに合わせた多彩な新プランを追加。さらに通信系や家電量販、音楽配信事業者など多彩な提携先との連携による「セット割引」サービスも充実ぶりも特徴として打ち出す。

 「くらしTEPCO」や「ビジネスTEPCO」など、個人・法人向けのWebサービスも充実させていく。そのベースにはおよそ2,000万件を超えて蓄積してきたビッグデータの活用による、東京電力ならではの強みをつくりだしていく戦略があるようだ。

 4月からの自由化スタートに向けて、一般電気事業者として新料金メニューの周知をどのように図っていくのか、同社の広報担当者に訊ねた。東京電力としてはマスメディアを使った広告を展開する予定は特に今後もなく、毎月の電気料金を知らせる検針票や全戸に配布するチラシなどに注力する考えだという。

 4月以降すぐに新しいプランを選んで切り替える余裕がない、あるいはもう少し検討したいという方々も多いはずだ。東京電力の担当者は「これまで月間に15,000円以上電気料金を支払っていた方にとっては、新しいプランに切り替えてもらった方がすぐにお得感を感じてもらえると思うが、そうでない方は取りあえず従来のプランに残っていただいても“損はしない”料金設定になっている。自分に合ったプランをじっくり考えてから決めてもらえればよいと思う」とコメントしている。

■地元の活性化に力を入れる「中国電力」

 4月からの新料金「ぐっと ずっと。プラン」を発表した中国電力のサービスは「地元の活性化」がテーマだ。

 ライフスタイルに合わせて選べる複数の料金コースを揃えるとともに、1月からはすでに会員制Webサイトで電気の使用量が見える化できる情報サービスをスタートさせている。4月から始まるポイントサービス「エネルギアポイント」は、貯めたポイントを中国地域の特産品や地元スーパーで利用できる商品券・ポイントとの交換、または中国地域で活動する公益性の高い団体への寄付などに充てられる、いわば「地元重視」の戦略が中国電力ならではの特徴だ。

 さらに「コラボレーションメニュー」の内容もユニークだ。中国地域を基板とする企業と連携した特典を充実させた。なかには、パートナーとして広島に本社を持つスーパーマーケット「ゆめタウン」、広島に本店を構える家電量販店「エディオン」などの名前が並ぶ。

 プロ野球ファンの筆者としては、広島東洋カープが提供する「カープ応援メニュー」では、エネルギアポイントを観戦チケットや応援グッズと交換できるサービスに注目した。昨年は「カープ女子」という流行語も生まれるほど、広島カープの人気は中国地方にとどまらず全国へ拡大しつつある。ぜひカープを応援したい圏外のファンも選べるメニューを早く作るべきだと思う。

 同社では「ぐっと ずっと。プラン」の中国電力エリア外への展開についても、現在新料金の設定も含めて準備を進めているというので、全国のカープファンは要チェックだ。

 なお、中国電力の新料金メニューには、現在最も多くの家庭で契約されている「従量電灯A」のプランよりも、年間約1,300円がお得になる「スマートコース」を新設する点にも注目したい。特徴は従来のプランに比べて毎月の最低料金が最低108円以上は割安になるところだ。同社のスタッフによれば「従来提供していた検針票のサービスをペーパーレス化してWebに移行して、生みだせる原資を消費者に還元している」という。
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《山本 敦》

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