あなたが思ってるより妻はネガティブかもよ?……定年後の生活予想
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勤め人が定年退職を意識し始めるのは50代、60代だろう。定年延長、あるいは役職定年制などで、50代から働き方は大きく変わる。家庭に目を向けると、子供の独立、親の高齢化、実家の相続など、こちらでも変化が起こる。
野村不動産アーバンネットは、サラリーマンと元サラリーマン世帯の50~60代夫婦を対象に、「定年退職後の夫婦の生活」意識調査を実施し、その調査結果を3月15日に発表した。夫と妻の意識の差に注目した結果が報告された。調査は2015年10月30日~11月1日にネット上で行ない、有効回答数は2060人だった。
●妻は定年後の生活にネガティブなイメージ
まず、定年退職したら何をしたいか、何をしてすごすかといった具体的なライフプランを持っているという回答は、夫37.5%、妻は27.5%だった。どうするか決めていない人が大多数というわけだ。
ここで、定年退職後の生活イメージを、ポジティブな14項目、ネガティブな16項目、合計30項目から選択してもらったところ、ポジティブな項目では14項目中13項目で、選んだのは夫が多かった。夫のほうが定年後の生活をポジティプに期待している。
これらの定年退職後の生活イメージで、夫婦の間で大きな差がみられたのが「自分」に関する項目だ。「自分の趣味や楽しみを第一に生活を送れそう」と、夫の48.5%がイメージしているのに対し、妻は27.7 %となり、「自分の夢や目標に思う存分チャレンジできそう」とイメージする人は、夫が37.2%いるのに対し、妻は18.6%となった。
いっぽうネガティブな項目を選択したのは、16項目中14項目で妻のほうが多く、妻のほうが定年後の生活にネガティブなイメージを持っていることがわかる。「親の介護など時間が増えそう」と妻の40.0%がイメージするのに対し、夫は23.9%、「病気や体力の衰えなど健康面での不安が増えそう」は妻の71.2%がイメージするのに対し、夫は57.4%にとどまった。
野村不動産アーバンネットは「新たな生活に期待している男性に対し、女性は、現実的な心配が頭に浮かぶ。妻たちは、これまでの日常に夫が加わる変化が想像できず、戸惑っているようだ」と解説。
●夫婦生活の幸福を実感できる習慣
そこで、セカンドライフに向けて夫婦円満の秘訣を聞いたところ、夫婦の暮らしを充実させるためにやっていることのトップ3は、1位「相手を束縛しない」、2位「お互い干渉しない」、3位「相手を尊重する・思いやる」となった。「いずれも相手を気遣う行動」と野村不動産アーバンネットは分析する。
夫婦2人の生活の幸福度を聞いたところ平均は10点満点で6.8点だった。この幸福実感度が平均以上の夫婦と、平均以下の夫婦の回答とを比べたところ、実感度が高い夫婦は、「できるだけ会話する」「一緒にご飯を食べる」「相手を尊重する・思いやる」の行為が、低い夫婦に比べて20ポイント以上多かった。これらが幸福を実感できる習慣だと言える。
反対に、幸福実感度が低い人に目立つ行動は、「お互い干渉しない」「なるべく耐える・我慢する」「文句を言わない」「寝室を別にする」など。夫婦の暮らしを充実させるためにやっていることの上位にも入っている項目だ。これについて野村不動産アーバンネットは「個を重視するあまりコミュニケーション不足に陥り、幸せの実感が得られない。過度の干渉・束縛は禁物だが、言いたいことを言い合える関係が円満」と述べる。
《高木啓》
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