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【オトナのガジェット研究所】モレスキンがスマートデバイスに!? 手描きの文字&イラストを即デジタル化

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モレスキンのスマートライティングセットをiPad Proと一緒に使ってみた
モレスキンのスマートライティングセットをiPad Proと一緒に使ってみた 全 17 枚
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■書いたテキストやイラストはデジタルデータにして共有できる

 描いたテキストやイラストはメールなどのアプリと連動して「共有」ができる。タブレットの画面からは、トップ中央に表示されるアイコンをタップして機能を呼び出す。紙のノートからも、右上にある手紙アイコンをペンでタッチすれば共有機能が起動できる。共有のメニューには「テキスト変換」や「音声メモ」「リプレイ」「編集モードへの切り替え」などがアイコンで並ぶ。

 「テキスト変換」はタブレット側のノートから手描き文字認識を行ってテキストファイルを生成するものだ。手描きで取ったメモをテキストデータに起こして、そのまま原稿の草稿にできたらどれほど便利だろうと、筆者も使いながら夢が膨らんだ。実際に使ってみると認識精度はそこそこ高いのだが、日本語と英語を混在させてしまうと、どちらかの言語で書いた文字しか一度に認識できないのが悩ましい。また縦書きの文章は一文字ずつ改行が入ってしまう。

 ペンとアプリを起動している状態であれば、ペーパーダイアリーに描き込むと即座にページを認識して、該当するページに描き込んだ内容が反映される。アプリが立ち上がっていれば、例えばスマートペンとペーパータブレットだけを手に持って、iPadをカバンの中に入れたままでもアプリに記録は行われている。また、再度ペアリングをすれば、ペアリングが切れた状態で書いたデータも1000ページ分はストックし、あとから一気に読み込んでくれるという。

 イラストを描く際などに認識しておきたいことは、紙のノートに描いた内容をアプリのノートで認識できる範囲との誤差だ。一枚のページはノートの製本されている方と上側の余白は目一杯使えるが、反対にページの外側と下側は描いた内容が切れてしまう場合がある。

 そのほかのユニークな機能についても触れておこう。「音声メモ」はタブレットのマイクを使ってノートに簡単なボイスメモを添付できる機能だ。「リプレイ」はそのページに描いた内容を文字通りリプレイできる機能で、イラストを描いたときにその手順を振り返ったりできるのが楽しい。

 ノートに「タグ」をつけておけば、あとから検索に使える。ノートに書いた内容はキーワードごとにも検索ができる。またグローバルメニューに設けられた「カレンダーから探す」機能を使えば、ノートに描いた内容を場所や時間ごとに細かく振り返ることができるので、仕事で取ったメモなどがとても探しやすい。紙のノートではページをめくりながらメモ書きの内容を目で見て探すしかないので、これこそデジタル技術によって受けられる大きな恩恵だといえる。

 大事な内容を消してしまわないよう、ノートごと書き込み不可の領域に保存する「ノートボックス」の機能もある。紙のノートは何冊もたまってくるとスペースを取るので捨ててしまうという方も多いと思う。あのときにとったメモの内容を、ずいぶん時間が経ってから確認したくなった時には、もう手元にノートが残っていないという苦い思いを筆者もこれまでに何度も体験してきた。モレスキンのスマートライティングセットならワーキングスペースが効率よく使えて、メモ書きの記録をいつでも素速くチェックできて便利だ。

 「共有」をタップすると、タブレットの側に残っているページ内容を画像やPDF、テキスト、Adobeイラストレーターと互換のある「SVG」形式のファイルにしてメールなどで送れる。画像やPDFの場合は、背景のグリッドごと残すパターンと、背景をホワイトか透明にして画像データに残せる。Evernoteアプリと連動させたり、Google Driveのクラウドストレージに同期させられる機能もなかなか使い勝手が良い。

 ペーパータブレットはモレスキンのデイリーダイアリーとほぼ同じサイズだが、カバー部分が少し特殊な形状をしているため、従来のデイリーダイアリーを使い慣れている方にとっては最初の移行時に戸惑うこともあるかもしれない。また、ある程度重さがあるので女性がバッグに入れて持ち歩くには少し重く感じられるという声もきっとあるだろう。もう少し判型の小さいものや、カバーの色が明るいバリエーションが今後登場することにも期待したい。

 また専用のペンとペーパータブレットをまとめて収納できる専用ケースなど、アクセサリーも充実してくれば、文具としては今までにない使い方ができる、ユニークでかつ便利なアイテムとして広く受け入れられる可能性を持っていると感じた。あとはオンラインストアで28,188円(税込)という価格も気になる。

 やっていることの先進性を考えたら妥当な気もするが、やはり購入するには少し尻込みしてしまう。ペーパータブレットのページを使い切ってしまったら、交換用の単品販売がどれぐらいになるのかも気になるところ。試しに使ってみたくなる価格設定にもぜひ挑戦してほしい。

[お詫びと訂正]初出時に「ペアリングが切れた状態では、その間ペーパータブレットに描いた内容は後からアプリを起動しても反映されない」と記述していましたが、正しくは「ペアリングが切れた後、再度ペアリングをすれば、ペアリングが切れた状態で書いたデータも一気に読み込む」ため、記述を訂正いたしました。

協力:モレスキン
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《山本 敦》

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