【木暮祐一のモバイルウォッチ】第94回 中古スマホのセキュリティって大丈夫? ゲオのデータ漏えい対策を取材してきた 4ページ目 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第94回 中古スマホのセキュリティって大丈夫? ゲオのデータ漏えい対策を取材してきた

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端末のデータ消去作業
端末のデータ消去作業 全 8 枚
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 続いて、ネットワーク利用制限に問題が無いかのチェックである。盗品や割賦代金未払品などは通信キャリア側から利用制限が掛けられてしまうケースがある。こうした制限が掛かってないかのチェックで、これも買い取り時に店頭で1回チェックしているのだが、この加工センターで1回、さらに店頭での再販時にも1回と、ゲオでは計3回のチェックを行っているという。ネットワーク利用制限は、買い取り後に端末の登録状況が変わる場合も考えられるためだ。

 検品部門の次は、いよいよデータ消去部門に移される。ここでは業務用のデータ消去ソフトウェアが備えられており、スマホをPCに接続して一気にデータ消去処理を施す。スマホの設定メニューから行う「初期化」は、本に例えると目次に相当する部分を消しただけの状態でしかない。目次が空白になるので一見はデータが無いように見えても、本体の中身(メモリ)を特殊な方法で参照していくと、まるまるデータが参照できてしまう。こうした、端末内に残ってしまっているデータをも完全に消去するために、業務用のデータ消去ソフトウェアを用いる。

 データ消去ソフトウェアで世界的に大きなシェアを誇っているのがフィンランドのBlancco Oy Ltd(以下、ブランコ)である。ゲオでも数ブランドのデータ消去ソフトを備えていたが、スマホ向けにはブランコのデータ消去ソフトがメインに使われていた。このブランコのソフトウェアを使うことで、端末内のデータは二度と復元できないようになるという。プライバシーマークなどを取得している大手の買い取り店では、情報漏えい対策として必ずこうしたデータ消去ソフトウェアを使ってデータ消去処理を施したうえで再販されているので端末を手放すユーザーにとっても安心できる。しかしながら、ネットオークション等で個人売買で手放してしまったり、素性の分からない買い取り店などに買い取りを依頼する場合は不安が残るところだ。

 データ消去処理後は店頭で再販しやすいように端末のアクティベートを行い、さらに端末のクリーニングも実施する。これは手作業で端末を丁寧に清掃していく。ゲオで買い取りされる端末の数については非公表とのことだったが、この岩倉加工センターに入庫してくる端末のシェアでいうと、iOSが4割、Androidが4割、携帯電話が2割ということだった。ほぼわが国の市場シェアを踏襲した感じだ。加工センターでの処理を終えた端末は、流通センターに移され、本社にある企画部門から送られてくる店舗別仕分けデータに従って行き先別に振り分けられ、各店舗に送られて行く。

 では、業務用のデータ消去ソフトウェアというのはどのような方法で端末のデータを消去しているのか。世界最大シェアを誇るブランコを取材させていただく機会を得た。これは次回のコラムでレポートする。
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《木暮祐一》

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