色覚障害者へのさり気ない配慮が光る!小田急電鉄の取り組み
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東京ビッグサイトで10日まで開催されている「GOOD DESIGN Biz EXPO 2017」の企画展示「Future-これからのグッドデザイン」にて紹介されていた、小田急電鉄の「業務掲示カラーユニバーサルデザイン化への取り組み」が、まさにそうした目からうろこが落ちる内容だったので詳しく触れていこう。
今回、小田急電鉄の取り組みが「GOOD DESIGN Biz EXPO 2017」の特別展にて展示されていたのは、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2016年度 グッドデザイン・ベスト100」に選出されたことがきっかけとなっている。
その取り組みというのは、列車非常停止ボタンの表示板や時刻表などといった、業務掲示に「カラーユニバーサルデザイン」を取り入れたというものだ。
そもそも「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」とは何か?といえば、いわゆる色弱と言われる、色の識別が難しい人たちにも、しっかりと情報が伝わるように配慮された色の配色ができたデザインのことをいう。NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構が、認証を行っており、小田急電鉄の取り組みも同団体の認証製品となる。
小田急電鉄では、2015年度から色覚障害者にも配慮したカラーユニバーサルデザインへの取り組みをスタートさせており、非常停止ボタン誘導サイン、駅係員呼び出しインターホン本体表示ならびに誘導サイン、掲出用時刻表、路線図、特急停車駅・料金案内、注意事項掲示などの業務掲示でCUDの認証を受けているそうだ。
特別展では、取り組み前と取り組み後の業務掲示を並べ、それを色弱の人たちの見え方を擬似的に体験できるメガネ(色弱模擬フィルタ「バリアントール」)で見てもらうという形の展示が行われていた。
実際、一般色覚者である筆者が、肉眼で見た時には、どちらも大きな違いを感じることはできなかったが、「バリアントール」を付けて見直すとその差は歴然。
例えば取り組み前の時刻表は、肉眼なら赤と青の色分けで表示されていることが分かるが、「バリアントール」をかけて見ると、黒一色で見えてしまい、色表現の違いを認識することができなかった。一方、取り組み後の時刻表を「バリアントール」で見ると、赤は赤、青は青、黄色は黄色とハッキリと色を認識できたのだ。
同じように非常停止ボタンの表示を「バリアントール」で見比べると、取り組み前は色による認識度が低めだったが、取り組み後の方では、色分けによって認識度が高まっているように感じた。
恥ずかしながら筆者は、世の中のさまざまな表示が色弱の人たちにどう見えているのかをこれまで意識することはなかったが、今回の展示により、従来の表示の見にくさ、不便さを知ることができた。
そして思い至ったのが、ハザードマップや避難場所&経路表示など、あらゆる人に正しくわかりやすい情報を伝える必要がある防災関連の表示における「CUD」の重要性。
ちなみに徳島県鳴門市の「津波避難マップ」や調布市の「防災マップ」「洪水ハザードマップ」、東京都が発行した「東京都防災ブック」などがCUD認証を受けていることからも、防災面におけるCUDの重要性は認知されつつあると言えるだろう。
2020年に向けて、公共スペースにおける訪日外国人を意識した多言語表示は増えつつあるが、成熟し、より多様化していくことが予想される日本社会においては、今回紹介したCUDのようなさまざまな事情を抱えた人にも寄り添った取り組みも多言語対応と同じように加速していくことを期待したい。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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