■akippaとは?
はじめに、サービスの概要と利用方法を簡単に説明しておこう。駐車場を貸す側は法人・個人を問わず、登録料/利用料は完全無料で、駐車料金の50%を収益にできる。貸し始めるにあたって特に高価な機械を設置する必要もなく、akippa駐車場であることを示す三角コーン(数千円)だけ購入すればよい。

借りる側も登録料/月額利用料ともに無料で、駐車したときにだけ料金が発生する。予約はiOS/Android向けのアプリ、あるいはWebブラウザでおこなう。
駐車場を借りる場合の利用フローだが、akippaの駐車場は地名からキーワード検索、現在地から、あるいは人気スポットからの検索もできる。車種や利用日時を設定して絞り込むことも可能。検索にヒットしたakippa駐車場は、マップ上にピンで表示される。駐車場に空きがあるときは緑色、満車のときはグレーで示されるので見た目にも満空状況が分かりやすい。

駐車場の詳細ページでは、駐車場および周辺の写真が確認できるほか、駐車場サイズ、対応車種、その他の注意事項もチェックできる。入庫・出庫日時を選ぶと合計金額の見積もりが表示される。予約はログインしておこなうか、ログインしなくても車種、車両ナンバー、電話番号などの必要事項を入力すればおこなえる。決済方法は、クレジットカード支払いか携帯キャリア決済の2通りに対応している。
■駐車場の数は1万3千超
欧米を中心にAirbnb、Uberといったシェアリングエコノミーの動きが広がっているが、それを駐車場で実現しようというのがakippaと言えるだろう。サービスの現状や今後の展望について、akippa 代表取締役社長の金谷元気氏に話を聞いた。
―――サービスの利用状況について教えて下さい
「現在、akippaで駐車場を借りたいというドライバーさんは数十万人という規模でいらっしゃいます。前月比120~130%ほどの割合で利用者が伸び続けている状況です。また、提供できる駐車場の数は1万3千拠点を超えました」
―――すでに大手コインパーキングの駐車場数に比肩する規模ですね
「業界のシェアトップを目指してはいますが、そこに強いこだわりはありません。ビジネスの目標が異なるからです。というのも、実はakippaの扱う1万3千拠点の中にも、他社さんの駐車場が含まれています。たとえばコインパーキングでも、稼働状況によっては10台が停められるスペースのうち数台分をakippaに解放しているところがあるんです。業界トップ10のうち、半分の5社さんはakippaに登録してもらっています。その意味では、競合しているというよりは、大手コインパーキングと利用者を結ぶ役割を果たしている、と言った方が近いですね」

■都心に注力、地方にも展開
―――主にどんな方が利用されていますか。また、どんな地域に展開していますか
「土日はファミリー層に利用していただいています。平日なら通勤・通学の利用者が多いですね。akippaでは東京23区内や大阪市内など、まずは都心部を中心に駐車場を増やしています」

―――地方はいかがですか
「地方の住宅街でも駐車場が登録されています。はっきり言うと、地方の住宅街の駐車場では大きな儲けは出ません。でも、とても価値の高い拠点だと考えています。たとえばお盆やお正月など、帰省した時に駐車場がなくて困る方が多くいらっしゃいます。もし駐車場がないから帰省を見合わせる人がいるとすれば、それはとても悲しいこと。そんなときにakippaを利用してもらえたら、人と人が出会うための手助けになれるのではないかと思っています」