そんな中、ドコモではいち早く実証実験を終え、商用サービスとしての「AIタクシー」を2月15日にスタートさせた(「AIタクシー」で商標も取得している)。近未来人数予測と、様々なビックデータを掛け合わせ、AIが需要予測を算出。現在から30分後までの未来の乗車台数予測を10分ごとに提供する。まずは東京23区、武蔵野市、三鷹市で東京無線タクシーが1,350台、名古屋市ではつばめタクシーグループが1,150台のタクシー車両に導入し、順次運行を開始している。具体的にどんな利便性があるのだろうか?2月22日、23日に開催されたNTT R&Dフォーラムのブースにて担当者に話を聞いた。
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■92%の精度で30分先の乗車台数を予測。突発的な事象への対応がカギ
ドコモが提供する「AIタクシー」では、30分先までの未来における乗車台数の予測値を、500m四方のエリアごとに提供する。このエリアでは30台の需要が予想される、このエリアには需要が0台、といった風に具体的に数値で予測が出てくるので、タクシー会社・ドライバーはそれを参考に運行していく。ゲリラ豪雨による電車遅延など突発的な需要変動にも対応可能であることが特徴。実証実験では約92%という高い精度での予測を実現した。同サービスの利用ドライバーは、そうでないドライバーと比較して1日の売り上げがおよそ1,000円増加したという。さらに、運行していく中で実際の乗車獲得率の高い場所をもっと細かい単位(100m四方)で表示したり、獲得率の高い進行方向を表示するといったことも可能だそうだ。
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とくに新人のドライバーには効果的で、使いやすいという声があがっているとのこと。また、経験や勘に優れたベテランドライバーであっても、少し遠方の知らない地域までお客さんを運んだ帰りなど、見知らぬエリアで乗車獲得の可能性を高めることができる。上述したゲリラ豪雨や、自分の知らないイベント等で需要が変動した際にリアルタイムに確認できることも大きなメリットとなっている。ただし、今は純粋な需要予測のため、そこで乗車したお客さんがどの程度の距離を移動するか、といった部分の予測はまた別の話になる。その点は今後進化させていきたい部分と担当者も話していた。