製造現場でオムロンと i-Automation!に取り組むことで起こる改革とは? | RBB TODAY

製造現場でオムロンと i-Automation!に取り組むことで起こる改革とは?

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製造現場でオムロンと i-Automation!に取り組むことで起こる改革とは?
製造現場でオムロンと i-Automation!に取り組むことで起こる改革とは? 全 8 枚
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 ウェアラブル関連の商品や技術などが集う「ウェアラブル EXPO」(2019年1月16日~18日/東京ビッグサイト)。実は、こちらのイベントに併設されているロボットやAIの最先端技術動向を紹介する展示会「第3回 ロボデックス」も注目だ。

 今回編集部が注目したのはセミナーでも紹介されるオムロン。同社は製造現場が抱える問題を解決するためにAI、IoTやロボティックスなどの技術を提供している。今回は同社インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部本部長で執行役員を務める辻永順太氏に、オムロンの戦略と講演のポイントを聞いた。辻永氏は『"i-Automation!"実現によるモノづくり現場革新』というタイトルで講演を行う予定だ。



---現在、日本の製造現場にはどのような問題があるのでしょうか?

弊社では以下のような課題があると認識しております。

・深刻な熟練工不足
・世界同一品質の確保
・新興国でも人件費が高騰 など

これらの課題を解決するため変化が求められており、弊社ではその変化を3つだと捉えています。1つ目が「作る“場所”の変化」。以前は多くの企業が中国に工場を構えていましたが、現在はアジア各国などに分散しています。2つ目が「“作り方”の変化」。ニーズが多様化し、工程が複雑でかつ高度なものが求められています。しかしコストは抑えないといけない。最後が「作る“ヒト”の変化」です。特にこれは大きい。いまの若者は製造現場で働きたがらないんです。製造現場で働く人が減っており、この問題は日本だけでなく世界各国で起こっています。



---求められる3つの変化を遂げるため、オムロンでは製造現場に「AI」「IoT」「ロボティックス」を取り入れていますね。実際、「AI」「IoT」「ロボティックス」を取り入れる製造現場は増えていますか?

そうですね。オムロンが顧客から集計した独自のアンケートによると、IoTに関しては、取り入れようとしている企業の割合は2015年から2017年の2年間で18%から34%と約2倍に増加しています

――2016年から“i-Automation!”というモノづくりのコンセプトを謳っていますね。具体的な説明をお願いいたします。

このi-Automation!とは以下の3つの“i”からなる戦略コンセプトです。

・制御進化(integrated)
・知能化(intelligent)
・人と機械の新しい協調(interactive)

“制御進化(integrated)”を推し進めることで、熟練工だけが持っているような匠の技を高い精度と速い速度でできるようになりました。“知能化(intelligent)”はIoTやAIをオートメーションに取り入れて機械が自ら学習・進化していくというもの。そして世界的な人手不足を解消するために、“人と機械の新しい協調(interactive)”が必要になるんです。人の作業をロボットが代わってすることで、人手不足解消につながります。



---では製造現場にi-Automation!を導入することで、具体的にどんなことができるようになるのでしょうか?

できることは多数あるのですが、例えば、複数の機械が互いを認識しながら考えて動くということが可能になります。機械というのは同じ動きを続ける反復動作は得意なんです。逆にいうと、例えば下の機械が動きつつ、それに合わせて上の機械が動くはといったことはとても難しいんですよ。二人三脚って難しいですよね。ただi-Automation!の取り入れることで、2つの機械が互いの動きを認識しながら動く、つまり“同期”することができるんです。機械というのは、熱や風などの様々な要素が介入することでズレや誤差が生まれるんです。そのズレをなくす。ズレを予測したうえで正しい位置に置きにいけるので効率よく機械が動けるんです。


(レーザとステージが同期して動いている)

---その他に事例はありますか?

機械がより早く正確な作業を提供することができます。



こちらは真逆に流れる2つのラインを使った作業を早く正確にできるという事例です。例えばお菓子を詰める作業を想像した時、一方のラインにはお菓子の箱が流れ、もう一方のラインにはお菓子が流れています。そして機械は箱にお菓子を詰めるという作業を最新の制御技術によって実現しています。相互で動きながら箱詰めすることで、早く正確な作業ができています。

――製造現場にi-Automation!を取り入れることでムダなく効率的なモノづくりができるようになるんですね。

機械というのは壊れるもの。もし壊れてしまったらラインを止めて、修理をしなければいけません。流れが止まることで効率が悪く、機会損失になりますよね。しかしi-Automation!に取り組むことで、AIが“壊れることに関する情報を集め、トラブルを事前に予測してくれる。そして予測をもとに修理を行えば、作業を止めることなく進めることができます。


――i-Automation!を取り入れることで働く環境も変わりますか?

そうですね。例えば、これからは機械がモノを運ぶことが当たり前になります。これまでモノは人間が運んでいました。なぜなら“モノを運ぶ”という作業は(障害物を避けるなど)フレキシブルな動きが求められるから。しかし、それをAIが搭載されたロボットがすることで、機械が人間に代わってフレキシブルにモノを運ぶことができます。そうすることでコンベアのない生産ラインを生み出すことが可能になったんです。



---人と機械の関係はどうなりますか?

人と機械が同じ場所で共存しながら働くという共存関係になると思います。以前の機械は人の動きを予測できないため、人間を傷つけることがありました。一方、i-Automation!を取り入れた機械は人の動きを予測し、もし人間を傷つけると判断すれば停止します。またこれまでの機械は柵の中に設置し、人と機械を分離していました。そうなると広いスペースを要します。しかし人と機械が共存して働くことで広いスペースは不要に。スペースの活用方法にも変化が起きるんです。

---i-Automation!を取り入れることで、効率面はどう改善されますか?

上海にあるオムロンの工場では、人の上にモニターを設置し、作業をしている人に動きを指示しているんです。人は疲れたりしたらミスをしますよね。そんな時に機械がミスをしない動きをデータ化し、作業を誘導するんです。無駄な動きを減らした結果、オムロン上海工場では生産性が30%も改善されました。



---製造現場のオートメーション化を進めている同業他社は多くあると思うのですが、オムロンの強みとはなんでしょうか?

オムロンでは、製造現場で使われている機種を20万以上揃えています。これは世界でも稀にみる品揃えです。センサーやコントローラー、ロボット、ロボットを動かす部品など隅々まで揃えており、これらを組み合わせてi-Automation!を実現することができます。製造現場のオートメーションを一式、整備できるんです。既にオムロンとi-Automation!に向けた取り組みを進めているお客様は、大手自動車メーカーや半導体メーカー、電子機器メーカーなど多数、存在しています。詳しい情報は「ウェアラブル EXPO」の講演で話しますので、当日はぜひ、足を運んでみてください。

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《野田綾子(H14)》

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