同作は、監督を務める谷光章が白寿を迎えた母と同居しながら、老老介護生活の中で起こる様々ば出来事を約1年にわたり撮影したセルフドキュメンタリー。介護に伴う様々なトラブルや失敗を赤裸々に写し取りながらも、「人生100年時代」といわれる現代の中で介護する側とされる側が楽しく暮らしていくためのヒントが満載の一作となっている。
同作が完成した昨年、舞台となった神奈川県藤沢市で披露上映が行われ、地元新聞などでも取り上げられた。また、観客からは「私もこんなかわいいおばあちゃんになりたい」「介護する側、される側の人間性でどれほど豊かな人生の最後が過ごせるかと思いました」など、多くの反響があったことから、今回の劇場公開が決定した。
また、今回、同作の劇中写真が2点公開。満面の笑顔を浮かべる母・千江子さんと、谷光監督、が仲睦まじく手を繋いで歩く様子などが描かれている。
谷光監督は同作について、「母の症状は認知症特有の同じことを何度も何度も聞いて来る、朝と夕の区別がつかない、さっき食べた食事を忘れて『まだ食べてない、お腹がすいた』と騒ぐなどなど。しかし、こうした姿は紛れもなく介護する者の十数年後の姿なのです。映画では99歳の母と71歳の息子のユーモア溢れるとぼけた会話が続く日々の暮らしを中心に、江の島などの四季を折込みながら、次々に起こる驚くべき認知症のリアルな姿を描いていきます。映画を通して、介護される人もする人も、『楽しく幸せに暮らせる介護はどうすればよいか』を考えるきっかけになればと思います」と語っている。
『99歳 母と暮らせば』は、K’s cinemaにて6月8日より上映。