AIカメラから3Dホログラムまで!KDDIが5G対応ソリューションを来年3月から提供 | RBB TODAY

AIカメラから3Dホログラムまで!KDDIが5G対応ソリューションを来年3月から提供

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KDDI ビジネスIoT企画部長 原田圭悟氏
KDDI ビジネスIoT企画部長 原田圭悟氏 全 9 枚
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 KDDIは2日(月)、東京虎ノ門にある5G・IoTのビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」で、同社の5G対応ソリューションの発表会を行った。

■5Gによる画質&レイテンシ向上でAIカメラが進化する

KDDIは「映像×5G」をテーマに5G対応ソリューションを提供していく

 KDDI ビジネスIoT企画部長 原田圭悟氏によると、同社では「映像×5G」として5G対応ソリューションを、2020年3月から提供していくという。

 「例えば、センサーによる“見える化”でいえば、従来のようなテキストだけでなく、高精細な映像を転送して、人の動きや店舗の異常などが検知できるようになります。これをマーケティングや業務効率化に活用していきたい。固定回線に比べると、5Gではシンプルな構成で、導入コストを削減できます」

 同社のリサーチによると、現場でのニーズとしては

「お客様全体ではなく、一人一人に合わせたマーケティングを行いたい」
「ただのディスプレイではなく3Dを駆使するなど、表現をリッチにしたい」
「売り場の面積を広く使いたいので、省スペース化したい」
「何かのトラブルの際に、現場に負担をかけず、遠隔で解決してほしい」

といった声があったという。これらを解決するものとして今回、KDDIが提供するのが、以下の3つの5Gソリューションだ。

・AIカメラ
・Intelligent Display
・3Dホログラム

2020年3月に提供される5G対応ソリューションは「AIカメラ」、「Intelligent Display」、「3Dホログラム」の3つ

 このうち「AIカメラ」とは、カメラで撮影した映像をAIが分析するソリューションのこと。顧客の滞在時間の分析、空席情報の可視化、混雑検出などの用途が考えられるという。スタッフの勤怠管理なども、カメラの前を通るだけで処理できるようになるとのことだ。

 5Gではレイテンシが小さくなるため、原田氏によると「駅のホームでの落下事故、踏切での立ち往生などについても、瞬時の対応ができるようになる」という。遅延を保証するようなサービスもあり、シビアな要求にも応えられるということだ。ほかにも、利用シーンとしてはコンビニや発電所などでの不審者の監視、客の待ち時間の見える化によるスタッフ配置の最適化などを想定しているとのこと。

「AIカメラ」について、5Gと4Gで人の映像の分析デモを実施

 会場では4Gと5G、それぞれの環境における人の映像の分析デモが行われていた。人が群がったような場所では、4Gだと人に動きがあると映像が乱れて判別不明の表示が出ていたが、5Gではスムーズに人を追跡して分析することができていた。また、人の動きに対するレスポンスにも差が出ており、5Gでは分析結果が出るまで2秒弱といったところだが、4Gでは4秒近くかかっている。

5Gでは性別と年齢が2秒弱で分析されていた。AIが苦手としているという、「木の近くにいる人」も認識している

 カメラは専用のものではなく、従来店舗で使用していたカメラで対応できるという。ただ、デモでは4GはVGA、5GはHDの映像を分析していた。この解像度の差が分析精度に影響するとのことだったため、カメラはHD以上のものが望ましいといえそうだ。

 なお、このソリューションではカメラで撮影した映像を、ゲートウェイを介してクラウド上のAIに転送。分析結果をネット経由で、店舗などにリターンする仕組みとなっている。

 「現状でもAIカメラをローカルで提供しており、このままでも良いかと思いましたが、費用が1店舗あたり年間160万円かかります。5Gはスモールな構成で、年間費用が1/3になるんです」

5G回線を利用することで、AIが映像解析を行うためのGPUを店舗などに設置する必要がなくなる

 従来のソリューションでは、解析用のGPUを各施設に設置する必要があるため、その設置スペースや配線などに場所を取られたという。実際に「サーバをどけてくれ」という声もあったようだ。しかし、5Gソリューションでは、解析用のGPUはクラウド上にあるため設置スペースを取られず、年間費用も50万円ぐらいにおとしこめるという。このコスト差は導入店舗が増えるほど、割安になっていくそうだ。

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《とびた》

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