韓ドラ『ゴールデンスプーン』、折り返し地点で10年タイムジャンプ!特異な入れ替わり設定が面白い! | RBB TODAY

韓ドラ『ゴールデンスプーン』、折り返し地点で10年タイムジャンプ!特異な入れ替わり設定が面白い!

エンタメ 映画・ドラマ
韓ドラ『ゴールデンスプーン』、折り返し地点で10年タイムジャンプ!特異な入れ替わり設定が面白い!
韓ドラ『ゴールデンスプーン』、折り返し地点で10年タイムジャンプ!特異な入れ替わり設定が面白い! 全 10 枚
拡大写真
ユク・ソンジェ除隊後初のドラマとして注目を集めている『ゴールデンスプーン』(Disney+で配信中)。1話から8話までは、学校内でのいじめ、辛すぎる極貧生活、全てを手中に収める大手企業の会長との戦い、幼少期のトラウマなど、韓国ドラマにありがちな内容が目立っていたが、9話以降になると入れ替わりの設定がかなり活きてきて、面白みが加速。日に日に、毎週末が楽しみになってきている。

そこで今回の記事では13話配信前に、一旦、9話から12話までをざっくりと振り返っていきたいと思う。なお、メインキャラクター2人の名前は、それぞれ生まれた時の名前(入れ替わる前の名前)で書いていく。(以下ネタバレあり)

【ディズニープラス】オリジナルの新作から話題作まで配信中

入れ替わったまま成人したことで共に転落?



8話のラストでは一気にタイムジャンプ。スーツを着こなして颯爽と登場したテヨン、対して、チャラい格好で路上で寝ていたスンチョンの姿が映し出され、視聴者を驚かせた。そして9話では過去10年間で何があったのか徐々に明かされていく。

前回、テヨンがアレックスからのルートで金のスプーンを手に入れる可能性が匂わされていたが、9話早々で、そのまま入れ替わらずに成人したことが判明。テヨンは家族仲こそ良好だが、就職活動に苦戦しており、やはり貧困からは抜け出せていない。一方、アメリカから急に帰国したスンチョンは、ド派手な格好に身を包み、女をはべらせ、堕落しきってしまった。





ヨジンは、同級生ジャングンの会社を手伝いながら、迷走中の婚約者スンチョンを監視。ジュヒはテレビ局で放送作家として活動しており、特ダネを狙うために潜入捜査などに励んでいる。女性陣はある程度キャリアを築き始めているものの、テヨンとスンチョンはそれぞれ問題を抱えている状態だ。





9話はユク・ソンジェのファン必見



道楽息子のように見えたスンチョンだが、9話半ばですべて計画の内だったことが明かされる。トシンハイテック代表となった叔父ジュンテをその座から引きずり下ろすために偽っていただけで、その後は再び頭脳明晰さが滲み出る姿へと戻っていった。

“貧乏クジ”を引いてしまったテヨンはただひたすら気の毒ではあるが、トシンハイテックの跡継ぎ問題に関して言えば、スンチョンと入れ替わって大正解。父や叔父に怯え、勉強も苦手なテヨンのままであれば、スンチョンのような戦い方はできず、とっくに叔父に殺害されていたはずだ。



それにしても、チャラ男を装うユク・ソンジェは大変良かった。上下赤スーツやゼブラ柄のシャツにアクセをじゃら付け、極めつけには襟足長めのウルフヘア。富豪の子息や著名人が集う会員制パーティーで羽振りよくシャンパンを振る舞い大騒ぎするハジけっぷりは、観ていて気持ち良いぐらいだった。爽やかなキャラクターを演じることが多いユク・ソンジェにとっても、楽しい演出だったのではないだろうか。

恋愛模様もますます複雑に



さて、トシンハイテックを巡る問題だけであれば、スンチョンは入れ替わったまま人生を歩むことだけを考えるだろうが、初恋の相手ジュヒの存在が物語をややこしくしている。スンチョンはまだジュヒを想っていることが筒抜けで、カネだけでなく愛も手に入れたくなってしまったヨジンの心を大いに刺激する。10年間も秘密を口外せず支えてきた婚約者ヨジンに対して「ビジネスパートナー」と言い切り、傷心を抱える者同士で慰め合いそのまま結ばれるかのように思えたタイミングで置き去りにするスンチョンは、なかなか残酷だ。



また、ジュヒの全財産5億ウォン紛失という大やらかしをしたテヨンは、今でもジュヒが好きだと言う。スンチョンとテヨンが元に戻ってしまったら、各々の関係性はどのように変化していくのだろうか。



しつこい叔父と得体が知れなさすぎる父



11話よりスンチョン、テヨン、ジュヒは協力体制を取り、テヨンの叔父ジュンテの殺人疑惑調査を進めていたが、事件解決は随分とあっさり。テヨン父の鶴の一言でジュンテが自首して終わった。しかし、ジュンテが刑務所に同級生を呼び出しトシンハイテックの空売りを提案していたことから、今後も遠隔操作を行なってスンチョンを煩わせることが予想される。

それ以上に厄介なのが、テヨン父の存在だ。スンチョンに「お前が殺していないことは分かっていた」と話していたが、事件を揉み消していたので本音は怪しい。スンチョンが後継者の座を確立するために新たな施策を推し進めることに対しても、表向きは賛成しているが、実際に行動へ移すかどうかは分からない。また、会食時にスンチョン父にたしなめられたことを根に持ち、「“カネよりプライドが大事な傲慢な人たち”に、貧乏はすぐに伝染しないが富はすぐ簡単に染まる事を分からせたい」と陰湿な仕掛けを行なうなど、スンチョン一家に執着しているのも気味が悪い。

スプーンを使うのかい、使わないのかい、どっちなんだい?



ジュンテの自首で一山終えた感はあるが、物語最大の未解決事件は、やはり入れ替わりの件に尽きる。10話では「入れ替わりをされた人物が同じスプーンを使うと、入れ替わりを行なった人物のすべての記憶を得る」という新たなルールが発覚。スンチョンとジュヒの関係に嫉妬したヨジンが、テヨンを呼び出して金のスプーンを使うよう勧める。「使うのかい、使わないのかい!?」というところで終わる10話。11話冒頭、テヨンはスプーンを使って食べそうで食べない動作を繰り返し、結局使わずに席を立つのであった。

しかし、高校時代にスンチョンが記録していたノートを見つけたことで、入れ替わりへの疑いを強め、豊かな生活への切実な思いを募らせたことで、老婆と遭遇。遂にテヨンも金のスプーンを入手。12話では、テヨン邸宅でご飯を食べようとするテヨン、それを阻止しようとするスンチョンの攻防がメインに描かれた。そして、スンチョンとテヨンが何を大切にしているのかが浮き彫りに。



スンチョンは実母による好物のギョーザスープを銀のスプーンで食べることを選ばず、テヨンも使用人による豪勢な食事を金のスプーンで食べることを選ばなかった。テヨンが元に戻ると想定して金のスプーンを偽物に差し替えたスンチョンは、己の人間性を恥じて泣き崩れる。



―――


次回予告編によると、偶発的な事故によりスンチョンとテヨンが元に戻ってしまうようだ。ジュヒが「お願いだからテヨンにならないで」とスンチョンに訴えているが、家族を捨てることにしたスンチョンが、すべてを理解した最愛の人を捨てることはできるのか。いつもいいところで終わるので、続きが気になって仕方がない。

※『ゴールデンスプーン』ディズニープラス スター独占配信中
(c) 2022 Disney and related entities

【ディズニープラス】オリジナルの新作から話題作まで配信中
■筆者プロフィール
山根由佳
執筆・編集・校正・写真家のマネージャーなど何足もの草鞋を履くさすらいのフリーライター。映画・海外ドラマおたくだが、コロナ禍に人生二度目のカン・ドンウォンのブームが到来し、出演ドラマも鑑賞したことで韓ドラの世界に興味を抱くように。さらに『ヴィンチェンツォ』を観て完成度の高さに度肝を抜かれ、韓ドラにのめり込む。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。映画・海外ドラマ・韓ドラを網羅したいため、観たい作品に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。2022年現時点でのベスト韓ドラは『私の解放日誌』。

《山根由佳》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース