韓国ドラマ『グリッド』ソ・ガンジュン演じる主人公の運命はいかに? 謎だらけのエンディングに困惑 | RBB TODAY

韓国ドラマ『グリッド』ソ・ガンジュン演じる主人公の運命はいかに? 謎だらけのエンディングに困惑

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韓国ドラマ『グリッド』ソ・ガンジュン演じる主人公の運命はいかに? 謎だらけのエンディングに困惑
韓国ドラマ『グリッド』ソ・ガンジュン演じる主人公の運命はいかに? 謎だらけのエンディングに困惑 全 6 枚
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Disney+(ディズニープラス)で、2022年2月から配信されている韓国ドラマ『グリッド』。チョ・スンウ、ぺ・ドゥナ出演ドラマ『秘密の森』を手掛けたイ・スヨンの脚本ということで話題となった本作。

主人公で、グリッド管理局の職員キム・セハをソ・ガンジュン、刑事のチョン・セビョクをキム・アジュンが演じ、1997年、2021年、2091年の3つの時代が入り乱れるSFサスペンスとなっている。

全10話だが、第6話までは主に2021年を舞台にゆっくりしたペースで物語が展開。しかし第7話から一気に物語が加速する。

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あらすじを簡単に説明すると、時は1997年。太陽風に襲われた地球は、地球全体を覆う防御膜・グリッドによってなんとか被害を免れることができた。異様な色になっていく空を少年だったキム・セハと高校生だったチョン・セビョクはジーっと見つめていた。

2021年になり、グリッド管理局の職員となったセハは、偶然立ち寄ったコンビニで殺人事件に遭遇する。監視カメラに写っていた犯人は、キム・マノク(キム・ソンギュン)。事件の発見者として協力をするものの、セハは寝たきりの母の介護があるため、早々に現場から立ち去る。

刑事のチョン・セビョク(キム・アジュン)は、コンビニ殺人犯・マノクを追う中、彼を助ける怪しい女を見る。マノクを助けたあとに突然消える現象を目にしたセビョクは、この女が、グリッドの創始者で「幽霊」と呼ばれている人物ということを知る。

人類の救世主が、なぜ殺人犯を助けるのか。謎を解くためにセハとセビョクは女幽霊を追跡していく。

(以下、物語の内容にふれるネタバレあり)


ソ・ガンジュンが哀愁漂う青年を熱演



「静」と「動」の演技を巧みに見せるソ・ガンジュン


2016年の『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』で、子犬系男子役を演じてブレイクしたガンジュン。今回は「愛らしさ」を封印し、クールで謎めいたセハを演じて新境地を開いた。

グリッド管理局の職員として働くセハが所属しているのは、管理局で窓際の部署といわれている事務局。他部署の職員たちにバカにされながらも、統括している副局長、チェ・ソヌル(チャン・ソヨン)に服従するふりをして何かを探っている。

1997年、管理局の前身だった電波研究所で、幼かったセハは、目の前で謎の女(イ・シヨン)に養父を焼き殺された過去があった。しかしのちにこの女がグリッドの創始者で人類に救世主であり、瞬間的に消えてしまうことから「幽霊」と呼ばれていることを知る。

人類にとって救世主でも、セハにとっては愛する親を奪った憎い敵で、幼いセハの目の前で一瞬にして消え去った謎の女幽霊の秘密を解明しようとする。そして自身も過去に瞬間移動して、不遇な過去を変えようと試みる。これがセハの目的なのだ。

第6話までは、何を考えているのか分からない、物静かで謎めいたセハを演じるガンジュン。表情をあまり変えないのだが、第7話以降、一気にセハが「動」の部分を炸裂させる。

銃を手に刑事のセビョクらを威嚇し、過去にタイムスリップする様は、SF好きにはたまらない設定だろう。しかしここからがこのドラマの難しいところで、セハは目まぐるしく過去と現在を行ったり来たりするので、視聴者は必死にくらいついていかなければいけない。

しかもこの時点でセハが幼い頃、女幽霊によって焼き殺された父親が養父だったことが分かり、本当の父親は電波研究所のクォン博士だと判明。

つまり最初はキム・セハなのだが、過去が変わってからはクォン・セハと名乗るようになるのだ。細かい説明が物語の中できちんとなされているとは言い難いため、メモを取りながら話を追っていく必要がある。

しかし複雑な物語設定の中、ガンジュンはとても良い芝居をしていると筆者は感じた。前半では謎めいたクールな青年を好演し、過去が変わってからは生き残った父と母に向ける優しい笑顔に癒される。

結局、自分が過去を変えたことによって、チョン・セビョクをはじめとしたいろいろな人の運命を変えてしまい、罪悪感にさいなまれる。そして再度タイムスリップを決意するのだが、元気な父と母に別れを言うセハの切ない心情をガンジュンは見事に演じ切っていた。


終盤に向けて、キーパーソンとなるセビョク



刑事としてアクションの見せ場も多いキム・アジュン


2006年に映画『カンナさん大成功です!』で、95キロの巨漢メイクを見せて話題となったキム・アジュンが演じるのは、優秀でなおかつ正義感のある刑事、チョン・セビョク。

セハの先輩で管理局に勤務するソン・オジン(キム・ムヨル)は元夫で、現在は弟と2人暮らし。事件解決のために奔走する優秀な刑事だ。

コンビニ殺人事件の犯人キム・マノクとの対決では、迫力ある格闘シーンを披露し、本作では数多くのアクションシーンを見せている。

物語の途中までは、セハと協力し合ったり逆に対立したりするものの、殺人犯であるマノクと女幽霊をセハと共に追っていくいわゆる「バディ」のような存在だ。

ところが物語の終盤、セビョクに関する衝撃の事実が明らかになる。女幽霊のDNAを解析した際に、セビョクと血縁関係があることが分かり、かつ父系がマノクだというのだ。最終的にセハはマノクに殺されてしまうのだが、そこからは物語の中心がセビョクに移っていく。

セハがこの世を去って1年後、セビョクは地方の海辺の町で警察官として勤務しながら、娘のピョリを育てていた。一瞬オジンと寄りを戻したのかと思いきや、そうではなかった。

オジンを演じるキム・ムヨルは物語の後半、持ち味を発揮する


セビョクとピョリに会いに来たオジンが切羽詰まった様子で「ここから出るんだ」と言う姿から、セビョクがシングルマザーとしてピョリを育てていることが分かる。父親は一体誰なのか明かされていない。

オジンに言われるがまま、住んでいる家をあとにしたセビョクが連れていかれた場所に、亡くなったはずのセハが待っていたことで、視聴者は混乱する。しかも物語はここで終わってしまうのだ。


エンディングで登場した意外な人物とは?



幽霊を演じるイ・シヨンは美しくも謎めいた雰囲気を醸し出す


数々の謎が解明されないまま、エンディングを迎えた『グリッド』。

女幽霊の正体は何なのか、瞬間移動はどうやって行われているのか、マノクと女幽霊、そしてセビョクの関連性は何なのか。そしてエンディングで太陽光により管理局が爆破されてしまったことは何を意味しているのか。疑問に思うことを挙げ始めたらキリがないだろう。

殺人鬼キム・マノクを演じるキム・ソンギュンも狂気に満ちた演技を見せた


しかも物語のラスト、『梨泰院クラス』でパク・ソジュンの宿敵を演じたユ・ジェミョンが登場したのにはびっくりした。ジェミョンが登場してきたのに物語がここで終わってしまっては、誰も納得しないのではないだろうか。

セビョクがオジンの車に乗りながら「太陽風とは関係なく、私たちはすでに多くを未来の子どもたちから奪った。一つでも返せるなら私の選択によって守れるなら。だけど選択の日は突然現れた」と心の中でつぶやいていたことが、この物語の行く先を暗示しているのかもしれない。

続きはいつ見ることができるのだろう。モヤモヤを抱えたまま終わってしまったことに困惑気味だ。

※『グリッド』
ディズニープラス スターにて独占配信中
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■筆者プロフィール

咲田真菜

舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中。

《咲田真菜》

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