市川沙央さん『ハンチバック』、第169回芥川賞に決定
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第169回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は市川沙央(いちかわ さおう)さんの『ハンチバック』(文学界5月号)に決まった。副賞各100万円。贈呈式は8月下旬に東京都内で行われる。
『ハンチバック』は、主人公・井沢釈華は、先天性の遺伝性筋疾患のために背骨が湾曲しており、電動車椅子と人工呼吸器を使い、裕福な両親が遺したグループホームから、ほとんど外に出ない生活を送っている。十畳の自室で彼女は、某有名私大の通信課程を履修し、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。ところがある日、グループホームのヘルパー・田中にTwitterのアカウントを知られていることが発覚し――というストーリー。
市川さんは1979年生まれ。早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科卒業。作品の主人公と同じ筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側弯症および人工呼吸器使用・電動車椅子当事者である。2023年「ハンチバック」で第128回文學界新人賞を受賞しデビューしている。
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