眞島秀和、倉科カナら出演の舞台「My Boy Jack」が開幕!息子を戦地に送りだす家族の感情や苦悩を描いた話題作 | RBB TODAY

眞島秀和、倉科カナら出演の舞台「My Boy Jack」が開幕!息子を戦地に送りだす家族の感情や苦悩を描いた話題作

エンタメ その他
撮影:岡千里
撮影:岡千里 全 8 枚
拡大写真

 舞台「My Boy Jack」が7日、に東京の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで開幕した。

 眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎、夏子らが出演し、演出を上村聡史が務める同舞台は、「ジャングル・ブック」などで知られるノーベル文学賞受賞作家、ラドヤード・キプリングが、第一次世界大戦中に書いた詩が題材。

 激戦が続く第一次世界大戦。健康な体があるなら戦地に行くべしと声高に理想を語る父ラドヤードは、酷い近視ゆえに軍の規則で入隊出来ない息子を、人脈をつかって軍にねじ込む。母親と姉は、必死に不安を圧し殺しながら日々を暮らす。戦意高揚を謳っていた父親も、日が経つにつれて不安にさいなまれるようになる。

 ハンデがあるにもかかわらず必死に努力し将校になったジョン(ジャック)は、西部戦線へと出征する。厳格だが優しい父と、無償の愛を注ぐ母との幸せな家庭で育った彼は、銃弾が飛び交う戦場を体験する。ある朝、突撃ラッパが鳴り響く中、彼の中隊に突撃命令が下る。数時間の激闘が終わり兵士たちは次々と傷つきながら塹壕へと引き上げてくるが、そこにジャックの姿はなかった....。

 同舞台の開幕にあわせて、キャスト陣が次の通りコメントしている。

【キャストコメント】
・眞島秀和
「My Boy Jack」は、一つの家族の物語です。時間を経て日々変化していく家族を垣間見ることができる作品になっていて、それは演劇や映画が持つ魅力だと思っています。僕が演じるラドヤードは、早くに長女を亡くし、劇中では戦争で息子を失います。作品の難易度の高さから、最初は固い人物だと思っていたラドヤードですが、稽古を重ねていく中で、抗えないものがあったり、家族に対する愛情が深い父親なのだと感じ、実はとてもシンプルな話なのだと気づきました。本番を迎えて、父親として、妻や子供たちに対する愛情の持ち方は、回を終えていくごとに深くなっていくのだと思います。充実した稽古を経て、この作品の魅力をお客様に届けられる段階になり、あとは毎ステージを真剣勝負で重ねていくだけです。かなり見応えのある舞台なので、お楽しみ頂ければと思います。

・倉科カナ
難易度が高く、理論的な戯曲なので、立体的にすることの難しさを感じましたし、国や価値観が異なる中で、私にとって初めての母の役。大きな子供を戦争に送り出す女性が想像できなくて、上村さんに託した部分も大きかったです。ラドヤードは、戦争や名誉、栄光など、目に見えない漠然としたものを言葉にして、国も家族のように捉えている人。戦争が始まってもいない時期に、世間体を気にしてジョンを入隊させようとしますが、失うことの痛みをあまり理解していません。私が演じるキャリーは、人の痛みといった感覚に訴えることが多く、葛藤していたものが突然出てきたり、感情があちこちに行く女性です。家族の捉え方が異なり、対極の価値観を持つ2人のやりとりは魅力的で、お客様にどのように伝わるのか興味があります。いまの時代にこの戯曲を上演する意義を感じて、キャスト、スタッフ一同、精魂を込めて作ったので、まずは楽しんで頂いて。観終わった後にどう感じたか、感想をお待ちしています。

・前田旺志郎
この作品にとって、“戦争”は重要なテーマですが、僕のなかで一番大きいのは“家族”です。ずっと一緒にいるようで、なんでも素直に言えるかといえばそうではない。一番近くにいる存在でも、すごく遠い部分もある。それが家族だと「My Boy Jack」を通して感じています。稽古前、ジョンは父親に対して反発心を抱いているのでは?と思っていましたが、ラドヤードのことは嫌いではないし、リスペクトも持っていて、フランクに話しができる。一見、仲がよさそうな普通の家族ですが、心の奥底で「これは本当の自分じゃない」とジョンは思っているんです。ただ、自分が理想とするものが本当のこととも限らないですし、そんな複雑さを持っているキャラクターなので、僕の中でも正解が見つかっていません。すごく難しいけれど、面白い部分だと思っています。キプリング家の4人と、ご自身の家族と重ね合わせて考える瞬間があれば、ジョンを演じている僕としては、とても嬉しいです。

・夏子
イギリスのウィットに富んだ会話やセリフの応酬など、舞台ならではの魅力が詰まっていて、観る方によって視点が変わる作品です。劇中で描かれているのは、普遍的でどの家庭にも起こりうる出来事。家族を愛しているからこそ、エルシーは両親やジョンにストレートな物言いで接します。家庭環境に翻弄される部分はジョンと同じですが、自らの人生を歩む力を持っている人だと思います。上村さんは、濃縮還元のように大切なことが詰まった演出をしてくださるので、稽古初日からここまであっという間でした。初めて劇場に入った時に、真っ黒な板の上に少ない小道具、役者としては試されるような気持ちにもなりましたが、芝居に没頭して観劇して頂ける空間になっていると思います。ぜひ劇場で、生でご覧ください。

《KT》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース