
一般財団法人 地球防衛群(所在地:岡山県津山市、代表理事:杉山孔太)は、2026年7月31日(金)に公式サイトをグランドオープンします。これにあわせ、自治体が地域の実情に応じて検討・修正できる条例ひな型「水源、農地及び森林の保全並びに土地開発行為の適正化に関する条例(ひな型案)」(通称:命の水と森を守る条例)を、補助資料5種とともに無償公開します。
当財団は、再生可能エネルギーの導入そのものに反対しているのではありません。水源林を削り、山を切り開いて行われている現在のやり方に反対しています。だからこそ、どこに、どのような条件で建てるのかというルールが必要だと考えています。住民・環境・開発の三者が成立する手続と基準を、計画段階から明確にすることを目指します。
本プレスリリースのポイント
・自治体での議論の出発点となる条例ひな型を、補助資料5種とともに無償公開・公式サイトを2026年7月31日(金)にグランドオープン
・クラウドファンディングで13,984,437円の支援を得て財団を設立
・再生可能エネルギーの導入自体ではなく、水源林を削る現在の進め方に対し、立地と手続のルール整備を求める立場
・水源地の取得について、国籍を問わず実質的な所有者と利用目的が分かる制度を国へ提言
・条例ひな型、政策提言、解説記事、全国マップ、環境トラブル相談窓口などを一つのサイトに集約
・活動実績と公益性を積み上げ、公益財団法人への移行を目指す
計画が持ち上がってから対立する前に、共通の「ものさし」を
大規模な太陽光発電所や風力発電所などの計画をめぐっては、水源、森林、農地、地域の暮らしへの影響を心配する声が各地で上がっています。一方、地域に必要なエネルギーや経済活動をどのように確保するかも、避けては通れない課題です。
実際に各地では、水源を含む山林が造成され、切り株だけが残された現場も生まれています。当財団は、そうした場所を自ら歩いて記録することから活動を始めました。

水源を含む山林が造成され、切り株が残された現場(当財団 撮影)
失われるのは、水を蓄える森の機能だけではありません。イヌワシやクマタカのように、繁殖の速度が遅く、一度減った個体群を短期間で回復させることが難しい希少な生きものの生息地も、しばしば同じ場所に重なっています。イヌワシは環境省の第5次レッドリスト(2026年3月公表)で絶滅危惧IB類とされ、国内の推定個体数は令和4年時点で約500羽とされています。
問題は、発電という手段そのものではなく、どこを、どのような手続で開発するのかが定まらないまま計画が進んでしまうことにあると考えています。
多くの現場では、守るべき場所、開発前の調査、住民との協議、稼働後の確認、事業終了後の責任といったルールが十分に整わないまま計画が具体化し、その段階で初めて賛否がぶつかります。住民、行政、事業者のそれぞれが異なる情報と基準で議論するため、合意形成が難しくなりがちです。
そこで当財団は、個別の計画が持ち上がる前から議論できる共通の「ものさし」として、条例ひな型を公開します。開発を一律に止めるためではなく、守るべき場所と進めるための条件を先に明らかにし、地域の将来を地域自身が考えるための土台をつくることが目的です。
「命の水と森を守る条例」ひな型を無償公開
今回公開する「命の水と森を守る条例」は、太陽光発電所や風力発電所をはじめ、一定規模以上の造成・伐採などを伴う土地開発について、水源、森林、農地、地域の暮らしを守りながら、適切な場所と方法で進めるための共通ルールをまとめたひな型です。

公開中の条例ひな型ページ
主に次の仕組みを盛り込んでいます。
・保全すべき区域と、開発を検討できる区域の考え方
・開発前の環境測定と基礎データの記録
・住民が資料を確認し、意見を述べるための熟議期間
・協議の手続が適切に行われたかを確認する仕組み
・稼働後の調査、情報公開、必要な改善を求める手続
・事業の承継時に責任を引き継ぐ仕組み
・事業終了後の撤去、原状回復、費用確保に関する考え方
・既存事業や進行中の事業を想定した経過措置
行政が恣意的に運用することがないよう、判断基準や手続だけでなく、事業者が説明し、意見を述べる機会も明確にしています。住民の不安を受け止めると同時に、行政と事業者にとっても予見可能性のある制度を目指しました。
条例本文に加え、導入時の検討を進めやすくするため、次の補助資料5種を公開します。
・一般向け解説
・自治体導入ガイド・チェックリスト
・議会想定問答集
・パブリックコメント回答集
・施行規則 骨子案

自治体が条例を導入・運用する各段階で使える補助資料5種
これらは完成した条例を一方的に提示するものではなく、地域ごとの自然環境、産業、土地利用、既存制度に合わせて議論を始めるための実務資料です。
条例ひな型:https://earth-savers.org/toolkit/ordinance
※ 本ひな型は「完成条例」ではなく、自治体での議論の出発点となる「たたき台」です。採用に際しては、各自治体の法務担当者・顧問弁護士・議会との協議を前提としています。特定の自治体・事業・紛争に対する個別の法的助言ではありません。
自治体のルールと国の制度、二つの方向から考える
地域の土地や環境を守るためには、一つの手段だけでなく、自治体と国の双方から制度を整える必要があります。
自治体向けには、地域の実情に応じて検討できる条例ひな型を公開します。あわせて国に対しては、「土地取得における実質的支配者開示制度の創設に関する提言──FATF勧告24・英国 Register of Overseas Entities との整合に向けて」を公開しています。
水源地をめぐる、制度の空白
森林の土地を取得した場合、面積にかかわらず市町村長への届出が義務づけられています(森林法)。ただしこれは取得したあとの届出であり、水源地の取得について、事前に行政が把握し判断する全国一律の仕組みは設けられていません。安全保障の観点から土地の利用状況を調査・規制する重要土地等調査法もありますが、指定の対象は防衛関係施設や国境離島などであり、水源地そのものは対象の類型に含まれていません。
林野庁の調査によれば、外国法人等(海外の法人・個人と、国内の外資系企業の双方を含む分類)が取得した森林は、2006年から2024年までの累計で10,396ヘクタール、全国の私有林面積の0.07%にあたります。同庁は、これらの森林で取水や地下水の採取を目的とした開発の事例は、これまで報告されていないとしています。一方で、届出書の記載だけでは利用目的を確認しきれない場合があることも、調査の性格上の留保として示されています。
面積そのものは、いまのところ大きな割合ではありません。私たちが課題だと考えているのは数字の大小ではなく、水源地という公共性の高い土地について、最終的に誰が所有し、何に使うのかを確かめられる仕組みが、国の制度として整っていないことです。土地は売買を重ねるうちに、法人をいくつも経由して、最終的な所有者が見えにくくなることがあります。これは所有者の国籍にかかわらず起こります。
そのため当財団の提言は、外国資本を締め出す仕組みを求めるものではありません。国籍を問わず、水源地の取引について実質的な所有者と利用目的が分かるようにすること--英国の Register of Overseas Entities や FATF勧告24 が各国に求めてきた考え方を、日本の土地制度にも取り入れることを提案しています。
水は、一度失われれば、すぐには戻りません。だからこそ、何かが起きてから対応するのではなく、まず「分かるようにしておく」ことから始めたいと考えています。
政策提言:https://earth-savers.org/policy
現場の声と制度をつなぐ、10本の記事
公式サイトの「学ぶ」コーナーでは、環境問題や制度を身近な言葉で理解するための解説記事9本(ダム事業の再評価は4話構成の連載)と、現地取材にもとづく現地レポート1本を公開します。
事業者の撤退が報じられた岡山県鏡野町の風力発電計画について、住民組織のメンバーに、計画を知った経緯、説明会での経験、記録や情報公開請求の活用、そして「反対」を掲げるのではなく「適切な開発かどうかを確認したい」という進め方を選んだ理由を伺った現地レポートをはじめ、風力発電と鳥類、太陽光パネルの大量廃棄、全国の太陽光・風力発電をめぐる事例、水源地の土地取得、ダム事業の再評価、OECM・30by30などを取り上げています。
条例や政策だけを示すのではなく、各地で何が起き、地域の方々が何に悩み、どのような情報を必要としているのかを伝えることで、現場の声と制度をつなぎます。
解説記事:https://earth-savers.org/learn/topics
現地レポート:https://earth-savers.org/learn/field-reports
このほか、各地の事例を地図で確認できる「全国マップ」、専門用語を平易に説明する「環境用語集」、条例の運用手順を整理した「条例運用設計ガイド」も公開します。
地域の環境問題に悩む住民の方からのご相談を受け付ける「環境トラブル相談窓口」も設けています。ご相談の内容を伺い、必要に応じて専門家との連携を検討します。
相談窓口:https://earth-savers.org/consultation

自然・水源・地域合意をめぐる全国マップ(掲載31件/2026年7月25日時点)
「軍」ではなく「群」--戦わない、という選び方
当財団の名称は「地球防衛軍」ではなく、「地球防衛群」と書きます。
誰かを敵と定めて戦うための組織ではないからです。水源地をめぐる変化も、開発をめぐる対立も、特定の誰かが悪意を持って引き起こしているものではありません。土地の所有、エネルギー政策、地域経済--いくつもの事情が重なった結果として、各地で生まれています。
だからこそ私たちは、倒すべき相手を探すのではなく、守る側に立つ人が集まる「群れ」でありたいと考えました。一人の力は小さくても、住民、自治体、事業者、専門家、そして全国の支援者が、それぞれの立場から少しずつ関わることで、地域の環境は守られ、少しずつ良くなっていきます。
条例ひな型を無償で公開するのも、同じ理由です。私たちが誰かに代わって戦うのではなく、地域が自分たちで考え、自分たちで決めるための道具を、誰もが手に取れる場所に置いておく。それが「群」という一文字に込めた姿勢です。
いただいた支援を、誰もが使える実務資料へ
当財団は、地域の水源、森林、農地、生態系を守る活動を継続的に行う主体をつくるため、2026年4月20日から5月31日まで、クラウドファンディングプラットフォーム「For Good」で設立と活動のための資金を募り、13,984,437円のご支援をいただきました。法人の設立登記そのものは、募集期間中の2026年4月25日に完了しています。
今回の公式サイトと条例ひな型は、寄せられた支援を、地域や立場を問わず利用できる情報と実務資料にして社会へ還元する第一歩です。
クラウドファンディング:https://for-good.net/project/1003493
公益財団法人への移行を目指します
当財団は現在、一般財団法人として活動しています。今後は活動実績と公益性を積み上げ、公益財団法人への移行を目指します。
公益認定は、単なる肩書きの変更ではありません。税制上の優遇を通じて寄付が集まりやすくなること、社会的な信頼性が高まること、そして何より「水と森は、世代を超えて共有されるべき公益である」という考え方を、制度の裏づけをもって示せるようになることに意味があると考えています。
土地を長く保有し、地域の相談を受け続け、世代を超えて活動を続けるためには、個人の熱意ではなく、続いていく仕組みが必要です。その器を確かなものにしていきます。
SNSでは、環境問題をもっと身近に
公式SNSでは、水や森、里山の生きもの、日々の活動の様子を、堅苦しくない言葉と映像で発信しています。
環境問題を「難しくて重いもの」のままにせず、まず知って、面白がって、関わってもらう。その入口をつくることを目指しています。
・Instagram:https://www.instagram.com/earth_savers.inc/
・TikTok:https://www.tiktok.com/@earth_savers.inc
・YouTube:https://www.youtube.com/@earthsaverschannel9703
・Facebook:https://www.facebook.com/esinc5
法人概要
・法人名:一般財団法人 地球防衛群
・代表理事:杉山 孔太(すぎやま こうた)
・事務局所在地:〒708-0813 岡山県津山市山方1919
・設立:2026年4月25日 登記完了
・公式サイト:https://earth-savers.org
・メール:info@earth-savers.org
※本リリースは、一般財団法人 地球防衛群の広報として、代表理事が代表を兼務するes株式会社のアカウントより配信しています。
取材・資料に関するお問い合わせ
条例ひな型の趣旨や公開資料、鏡野町での住民インタビュー、全国マップ、解説記事などについて、取材のご相談を受け付けています。公開資料の範囲で情報をご案内します。
一般財団法人 地球防衛群 事務局
メール:info@earth-savers.org
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