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【連載・視点】19歳はリフト代タダ!業界を動かしたビジネスモデル

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リクルートライフスタイルの研究員 加藤史子氏「旅行ビジネスがコモディティ化していくのを感じていた」
リクルートライフスタイルの研究員 加藤史子氏「旅行ビジネスがコモディティ化していくのを感じていた」 全 4 枚
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■連携企画も続々

 19歳の若者は全国で約120万人。雪マジ!19に登録した人は昨季で約15万人。19歳の9人に1人は登録している。登録の傾向は雪山に近いエリアほど高くなる。長野県では約15,000人の19歳のうち5000人以上は登録している。「登録したら9割はスキー場に行くので、結果としては新規動員につながっている」と加藤氏は話す。スキー場でのレンタルについては、19歳は、はじめてスノボ・スキーをする人も多いため、6割はレンタルをするという。「スキー場にとっては“レンタル”は利益率が高い商品なんです。例えばメーカーから1~2万円で仕入れ、それを3000~4000円で貸し出す。3回貸すと減価償却が終わり、あとは利益率が高い状態になります。実際に、これをやると儲かるねというスキー場もあります」。

 なお登録した19歳が翌年もリピートしたかどうかについても追跡調査の結果がでている。700名に調査した結果、9割が翌年もスキー場へ出かけていることがわかった。これらの人はスノーボード板を購入するようになり、スキー場にとってのレンタル収入は消えていくが、かわりに20歳以降はリフト収入は得られることになる。

 「雪マジ!19」はユニークな取り組みゆえ、連携企画も多く誕生した。リゾートアルバイト求人サイトとの企画、スノーボードブランドとのバスツアー、フォトコンテスト、ゲレンデの食事開発などである。

 フリーミアムというモデルは、もともとはネット業界でよく使われ、旅行業界にはなじみがなかったが、新しいビジネスモデルが徐々に動き始めているところだ。来季は今年2月にリリースしたスマホアプリを本格展開。これにより、利用者の情報も一括管理でき、行動を詳細に把握することが可能になり、さらに緻密なマーケット戦略が可能になっていくだろう。
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《RBB TODAY》

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