初のスマホ発表も魅力が感じられない「VAIO Phone」!
IT・デジタル
スマートフォン
注目記事
-
瑞原明奈選手や伊達朱里紗選手がアクリルスタンドプレゼント(PR))
-
Android 5.0搭載「VAIO Phone」を発表……直販価格は51,000円
-
【木暮祐一のモバイルウォッチ】第71回 VAIOスマホがこけたら日本のスマホはもう終わり

また、「VAIO Phoneにしかないアプリ」というものが存在しないのも惜しい。オペレーティングシステムが最新のAndroid 5.0であることをアピールしているが、それはすぐに他社もキャッチアップできることだ。他のアプリベンダーとの連携を図ってでも、VAIO Phoneオンリーの魅力をもっと積極的に盛り込むべきだったのではないだろうか。
ただ、この点については今後販売サイドのパートナーにより、独自のサービスがアプリ等で追加される余地は残されているようだ。記者会見のプレゼンテーションでは、VAIO Phoneで広げる新領域として「オートセットアップ機能」や「ヘルスケアスマホ」などのキーワードについても触れられていたが、これらに関して本日時点で詳細が語られることはなかった。
日本通信によるVAIO Phone向けの通信サービスがどれほど斬新なものなのかと言えば、これも既存のSIMカード単体で販売されているプランよりも少し安価で利用できるという程度のもので、VAIO Phoneにポテンシャルユーザーを惹きつけるためのマグネットとしては弱い。ただし、VAIO専用のSIMを他のSIMロックフリー端末に挿しても使えないようにはなっているようではある。
せっかくソニーのエンジニアリングの流れを組むVAIOの端末なのだから、例えば「ディスプレイがファブレット並みに大きくWQHD画素のスーパー高精細、日本通信の高速定額プランでネット動画三昧を楽しめるスマホ」といったストーリーがあれば、尖ったユーザーを取り込みながらVAIOブランドのプレミアム感を高めることもできたかもしれない。様々な点で中途半端な内容に止まっているのにも関わらず価格が5万円となれば、少なくとも筆者は本機を積極的に買うことはないだろう。
先に発表されたノートPCの「VAIO Z」シリーズは、自社の安曇野工場におけるハンドメイドフィニッシュにこだわった点など、「やっぱりVAIOはひと味違う。使ってみたい」とファンを納得させるような光るものを持っていた。今回の「初めてのスマホ」で同じプレミアム戦略を活かせなかったことが、今後のVAIOブランドの成長にダメージを残すことにならないか気がかりだ。
記者発表後に福田氏と花里氏が答えた囲み会見では、今回の協業は互いに排他的な縛りのある契約ではなく、今後VAIO株式会社が他のパートナーと組んで端末をつくることも有り得るようだ。その際にはプラットフォームとしてWinodws PhoneやFirefox OSの採用を検討したり、ギークなユーザーのマインドを刺激する先鋭的な端末の開発にもぜひチャレンジしてもらいたいと思う。これまでに「VAIO」というブランドが実現してきた革新の歴史には相応の重みがあるのだから。
《山本 敦》
特集
この記事の写真
/
関連リンク
関連ニュース
-
Android 5.0搭載「VAIO Phone」を発表……直販価格は51,000円
IT・デジタル -
【木暮祐一のモバイルウォッチ】第71回 VAIOスマホがこけたら日本のスマホはもう終わり
エンタープライズ -
【週刊!まとめ読み】VAIOスマホが3月12日に発表/MWC2015がいよいよ開幕へ
ブロードバンド -
VAIOスマホの発表は3月12日!……日本通信が公表
IT・デジタル -
【週刊!まとめ読み】新生VAIOがモバイルPC発表/豪・物流会社が日本郵政の買収を受け入れへ
ブロードバンド -
新生VAIO発表、「Made in AZUMINO JAPAN」へのこだわり
IT・デジタル -
【The Microsoft Conference 2014】新VAIOのプロトタイプや、ユニークな一体型マルチ決済機能付きタブレット披露
エンタープライズ -
「この国で一番小さなPCメーカーになった。しかし。」……新生VAIO
エンタープライズ -
VAIO初の新製品発表会が2月16日に開催……新型スマホ、タブレット発表か
IT・デジタル -
「VAIO」ブランドのスマホが2015年1月に登場……日本通信と協業
エンタープライズ