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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第91回 ついに“自動運転”が国内でも承認! テスラ・モデルS「P85D」を一般道で試乗

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“ハンドルとタイヤが付いたタブレット”ともいうべきテスラ・モデルSの自動運転機能を体験
“ハンドルとタイヤが付いたタブレット”ともいうべきテスラ・モデルSの自動運転機能を体験 全 14 枚
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■あくまでも自動運転=ドライバーのアシスト

 自動運転といっても、現状のオートパイロットは乗員を目的地まで完全自動で送り届けてくれるものではない。あくまでドライバーをアシストするものという位置づけであり、最終的な判断と操作はドライバーの責任で行わなければならない。当たり前のことだが、オートパイロットはドライバーの目的地を知らない。「その先の交差点を右折する」という操作はドライバー自身が行わなければならない。

 また、オートパイロットは障害物や走行するレーンは検知しているが、信号は判別できない。先行車がいれば追従して、加速、減速、停止などの動作をしてくれるが、もし先頭を走っていた場合はドライバーの判断で信号で停止する必要がある。前車が信号の変わりかけで交差点に進入したため、後続の自車が信号無視で交差点に進入してしまうなんてことも考えられる。

 テスラのような自動運転の普及とともに、信号無視による事故が増加しなければよいのだが……。Googleがマップで行き先を指定したらあとは座っているだけというような完全自動運転車の開発を進めている。テスラにもナビゲーション機能こそあるものの、オートパイロットと連動して完全自動運転を実現させるのはまだまだ当分先のことなのだろう。

■“人も乗れるIoTロボット”。縦列駐車も車庫入れもお任せ!

 車庫入れのアシストはすでに多数の国産車などにも搭載されているようだが、日頃まったくアナログな自動車に乗っている筆者にとって、テスラの縦列駐車や車庫入れは、これまた衝撃的だった。

 とある高層ビル地下の公共駐車場にて、空きスペースを探しながら徐行する。空きスペースを目で追う筆者と同様に、テスラもカメラやセンサーで空きスペースを検知して、インパネにも空きスペースを示す「P」マークが自車表示の左右に流れていく。

 ここに入れるぞと決めたら、その空きスペースを通り過ぎたところで停止させる。そしてタッチパネルが「オートパーキング準備完了」の画面表示に切り替わったら、「開始」ボタンをタップするだけ。あとはテスラが自らバックを始め、駐車スペースにするすると収まってくれる。ステアリングが高速で回転して据切りし、必要に応じて切り返しまでしてくれて駐車スペースに収まる動作は本当に驚いた。この一連の動作も、バンパーに装着されている超音波センサーと前後の光学カメラで判断し、テスラ自身が最善を考え動いてくれるのだ。冒頭でテスラのことを“走るタブレット”と表記したが、もはや“人も乗れるIoTロボット”だ。

 2時間ほど東京都心部でテスラを走らせてみたが、オートパイロットによる自動運転には本当に驚かされたものの、やはりあくまでドライバーのアシストをする機能であるということを認識させられた。ソフトウェアアップデートで今後も精度が高まっていくであろうし、さらなる機能進化もあるだろうが、現状はオートパイロットに任せきりにできるとは必ずしも言い難い。そもそもテスラは自分自身で操ってこそ楽しい自動車であると思う。しかし、たとえば長距離をドライブする際など、現地までの移動にオートパイロットを活用して、無駄な体力や注意力の消耗を減らすような使い方がベストかもしれない。

 今回ランデブーしたテスラ・モデルS「P85D」は、見た目は上品なワインレッドカラーの淑女といった出で立ちだったが、いざドライバーズシートに着座してみたら、オートパイロットではギリギリまで攻め込み何度も冷やりとさせてくれて(しっかり回避はできているのだが)、おまけにロケットのような加速も味わえ、いい意味でアメリカンなじゃじゃ馬だった……。

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《木暮祐一》

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