テレビ、ラジオに続く“第3の放送”!? 新デジタル放送「i-dio」が開始へ
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■どのあたりが“第3の放送”?
i-dioは、地上アナログテレビ放送の終了後に空いた周波数帯(VHF-Low帯=99MHz~108MHz)を利用した映像・音声放送サービス。福岡、大阪、東京において3月1日よりプレ放送をスタートさせ、その後は全国に対応エリアが拡大される。
既存のラジオ、IPサイマル、音楽配信サービスとはさまざまな差別化が図られている。例えば、音質面では48kHz/ 320kbps(MPEG-AAC)に対応、デジタル地上波放送 最高音質をうたう。今夏にはHD Sound(ハイレゾ級音質)に対応させる予定だ。
音声以外に、映像やデータを送ることもできる。クーポン、マイル、ゲームアイテム、Web認証データ、電子チケット、電子雑誌、電子チラシ、車の地図データなどの利用が想定されている。例えば、放送中に「このクーポンをご利用の方は、いますぐ画面をタッチしてください」のように案内することで、視聴者のみがクーポンを獲得できる仕組みなども検討されている。
通信とは異なり、災害の発生時や大規模イベント開催時に、利用者が集中する時間や場所で輻輳が起きないのも特徴のひとつ。地域にピンポイントで情報を送ることができるほか、放送波を使って端末を強制起動させることも可能。こうした機能を活用した、防災情報配信システム「V-Alert」が用意されており、全国の自治体が利用できる。
受信端末として、手持ちのiOS/ Android端末でi-dioが受信可能になる「i-dio Wi-Fiチューナー」、チューナーが内蔵された「i-dio Phone」、「車載用TunerBox」(仮称)なども順次提供される。東京マルチメディア 代表取締役の藤勝之社長は「i-dio Phoneは、家電量販店のほかFM東京の通販サイトShops.Love、Amazonなどで販売する。家電量販店では、春商戦における特別推奨機器として販売される予定。SIMフリー端末のなかで、イチオシの機種として紹介してもらう」と説明した。
続いて登壇した、エフエム東京マルチメディア放送事業本部ゼネラルプロデューサーの森田太氏は「インターネットが普及した世界では、不可能なサービスを探すことの方が難しくなる。逆を言えば、インターネットが不得手なことが希少性を増す。ラジオのようなメディアでは、これまで人間味、体感、伝統、人間らしさといったアイデンティティを発揮してきた。こうした得意分野を背骨にしつつ、通信との融合も図ったのがi-dioとなる」と説明した。
《近藤謙太郎》
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