【検証レビュー】総合的な完成度の高さにこだわった「HTC 10」は“買い”か?
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■グーグルと共同開発した「徹底的にシンプルなUI」
「HTC 10」の概要については昨日開催されたau発表会レポートでお伝えした通りだが、改めて復習しておこう。OSにはAndroid 6.0を採用。液晶ディスプレイのサイズは約5.2インチで、解像度はWQHD(2560×1440画素)。ネットワークはauの4G LTEとWiMAX2+による3バンドキャリアアグリゲーションに対応し、下り最大370Mbpsの通信速度を実現している。Wi-Fiは11a/b/g/n/acに対応する。
実機を手に持ってみると片手での操作も無理がないサイズ感だ。明るさ調整など詳細を追い込めば見え方も変わってくると思うが、ディスプレイの画質はややコントラスト感が強く、発色も鮮やか。撮った写真がくっきりとした画質で再生される印象を受けた。
クアルコムの最新SoC、Snapdragon 820シリーズのクアッドコアプロセッサーを搭載している。RAMも4GBとハイスペック。このほかにも今回HTCはGoogle(グーグル)とともにAndroid OSベースのスマホによるユーザー体験を向上するためにUIの設計をシンプルに一新した。具体的にはメーラーやメディアプレーヤーなど、プリインストールされているアプリをなるべくGoogleが提供するAndroid OS純正のものに絞り込むことにより重複を抑えている。
HTCとGoogleはこの試みを「Androidのリブート」と呼び、“Android M”が立ち上がったころから地道に取り組んできたのだという。その成果がHTC 10で結実した格好だ。「アプリの重複を避けることでメモリースペースに空きが生まれ、これによりHTCの従来端末に比べて、タッチレスポンスが50%、アプリの起動スピードもほぼ2倍に向上した」と玉野氏は効果を強調する。
「誕生のころからオープン性を特徴としてきたAndroid OSは、採用各社が端末の機能やサービスを差別化するために独自の工夫を凝らしてきた結果、同じAndroid端末なのにUIや操作方法が各社ばらばらになってしまった。このことがユーザー体験を混乱させてしまっているという反省に立って、今回Googleとともに原点に立ち返ることを試みた。今後Android OSを採用するメーカーにも呼びかけながら、全体でAndroid OSの体験価値を高めながらプラットフォームの活性化に貢献したい」と玉野氏は“リブート”の真意を説いた。
実機を触ってみると、確かにGoogle Playミュージックアプリやカメラアプリを起動したとき立ち上がりのスピードは速い。カメラアプリは起動してからシャッターが切れる状態になるまで約0.6秒のインターバルを実現しているという。もちろん音楽プレーヤーやカメラアプリなどは、プリインのものが満足できない、あるいは自分の使いたい機能がない場合はサードパーティーのアプリを追加すればいい。
《山本 敦》
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