MVNOの可能性を広げる?IIJ、“縛り”から開放された「フルMVNO」を2017年提供へ 2ページ目 | RBB TODAY

MVNOの可能性を広げる?IIJ、“縛り”から開放された「フルMVNO」を2017年提供へ

IT・デジタル スマートフォン
IIJ 代表取締役会長CEOの鈴木幸一氏
IIJ 代表取締役会長CEOの鈴木幸一氏 全 12 枚
拡大写真
 MVNOに期待されていることについて、島上氏は「モバイル市場全体の成長、拡大に寄与すること」と説明する。MVNOの台頭はMNO、MVNO、ユーザーの3者にメリットがあるとのこと。MNOにとってはリソースを有効に活用してもらえるメリットが、MVNOにとっては設備投資をしなくてもサービスを展開できるメリットが、ユーザーにとっては利用するサービスの選択肢が広がるメリットがあると説明した。

 IIJでは2009年3月にレイヤ2接続によるサービスを日本で初めて開始し、従来なかったような料金体系とサービスを実現させた。これによりSIMロックフリーという新たな市場も創出した。「イノベーションは成功したが、その一方で競争は激化した。レイヤ2接続による競争には限界がきている。MVNOのさらなる発展には、次のブレイクスルーが必要」と島上氏。それこそがフルMVNOの取り組みだという。

■HLR/HSSの開放とは

 これまでMVNOの発展には、HLR/HSSの開放が必要だと言われ続けてきた。HLR/HSSとは、SIMカードを管理するためのデータベース。SIMカードの契約を識別するIMSI(イムジー)、電話番号、通信を暗号化するためのキーなどが含まれている。これにより該当デバイスがサービスを利用できるのか(認証)、どこでサービスを受けているのか(位置登録)、などの情報をやりとりしている。

 「これまでは、NTTドコモのSIMカードをお借りしていた。したがってSIMカードの中に含まれる情報は、我々がコントロールできなかった。今後はSIMカードの中身をコントロールすることが、サービス拡充の肝となる」と島上氏。IoTの時代に要求される機能について、「リプログラマブル」(SIMカードに含まれるプログラムを書き換えられる)、「エンデベット」(これによりSIMカードを基盤に埋め込むことも可能)、「マルチプロファイル」(書き込まれた情報を切り替えることで、柔軟なサービスの提供が可能になる)を挙げている。
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 4
  6. 続きを読む

《近藤謙太郎》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース