オダギリジョー、『カムカム』出演を悩んだ過去明かす「“朝ドラ”は自分らしくないかなと……」 | RBB TODAY

オダギリジョー、『カムカム』出演を悩んだ過去明かす「“朝ドラ”は自分らしくないかなと……」

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 現在放送中のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。2代目ヒロインのるい(深津絵里)の運命を動かしていく、トランペット奏者の大月錠一郎(通称:ジョー)を演じるのは朝ドラ初出演のオダギリジョー。このほど、オダギリのへのインタビューが公開となった。

――『カムカムエヴリバディ』に出演することが決まったときの気持ちは?

 正直なことを言うと、“朝ドラ”はあまり見たことがなかったんですよ。自分との距離が遠いものだったので、お引き受けするかどうかすごく悩みました。やっぱり“朝ドラ”って朝の顔でもあり、NHKを代表する作品の一つですもんね。そこに自分が参加していいんだろうかという気がしていました。僕は夜中の作品のほうがしっくり来るタイプだし(笑)、今までもインディーズや小さな作品に重きを置いて活動して来たので、“朝ドラ”は自分らしくないかなとだいぶ悩みました。ただ、脚本家の藤本さんが自分をイメージして書いてくれた役だと聞くと、役者冥利に尽きる光栄なことだとうれしかったし、求めてくれた以上のものをお返ししたいという気持ちに傾いていきました。

――自身の役柄を演じるにあたって意識したことは?

 僕は俳優として少しひねくれたタイプだと自覚していますが、あまり分かりやすい表現をしたくないタイプなんです(苦笑)。なのでNHKだから、“朝ドラ”だからと言って、丁寧で分かりやすい芝居をするのではなく、いつも通りの表現を心がけました。例えば、自分が演じるジョーは最初20代なんです。40代の自分が説明的に20代を演じようとするよりも、何歳であろうと人間が持つ感情や感覚的な部分を表現することを重視していました。あとはトランペットですね。ジョーにとって何よりも大切なトランペットが嘘にならないように、とにかく練習を続けました。1日に6時間を超える日もありましたが、そうした時間の積み重ねが体に染み込み、芝居に影響していくものなので、妥協のない形でトランペットに向き合いました。準備さえできていれば、あとは現場で『なるようになるだろう』という感覚で挑みました。

――2代目ヒロイン・るい役の深津の印象は?

 深津さんは、すごく丁寧な方だと思います。作品に誠意を持っていて、真摯に芝居に向き合っている姿が印象的です。台本に関して疑問があれば、深津さんと僕、演出担当やプロデューサーみんなで話し合う時間を持ちながら進めていますし、ひとつひとつ、適当には進めずに、慎重にものづくりをされる印象です。今までの仕事の選び方も、そういうことなんでしょうね。自分が納得できないものは引き受けないで、ちゃんと本気で向き合える作品だけを選んでいる。それは同業者として、心から信頼できるポイントですね。現場での深津さんはとにかく集中されていて、気軽に話しかけることはできない雰囲気があります。それは他者を威圧するものではなく、心地良い緊張感ですね。同時に、共演者もスタッフも深津さんに対して100%の安心感を持っていますし、深津さんを中心に『カムカムエヴリバディ』が転がっているのを強く感じます。スタッフもみんな愛情深く、温かい良いチームなんです。大阪の情が滲み出ている愛すべきチームです。これだけ仲良く、家族のような関係がつくれているというのは、“朝ドラ”のチームだからなのかなっていう気はしていますね。

――放送を楽しみにしている視聴者へのメッセージをお願いします。

 深津さんと僕が演じる、るいとジョーはひなたの人生にも関わっていく大切な役なので、丁寧に感情を紡ぐように心がけています。安子編もすばらしかったですが、るい編は大阪らしい明るさと、藤本さんの描く人生の機微を細やかに表現できれば良いなと思っています。るいとジョーの物語が後々ひなたに受け継がれ、ひなた編になった時に、また改めてるいとジョーの若かりし日々や大阪での物語が愛おしく感じてもらえたらいいなと思いますし、ひなたを見ているだけで、若き日のるいとジョーを思い出せるような、そういう強い感情を残せる二人が作れたらいいなと思います。

《松尾》

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