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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第68回「スマホは成熟市場に」…… 2014年のモバイル業界動向を振り返る

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木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有。
木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有。 全 4 枚
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■MVNOの急激な躍進、格安SIMと格安スマホ

 2014年の最大のトピックスは、やはり「格安SIM」と「格安スマホ」の登場とも言えそうだ。すなわち、既存の通信キャリア(=MNO、Mobile Network Operator)からインフラを借りて独自ブランドとして通信事業を展開するMVNO(=Mobile Virtual Network Operator)が、最も注目を集めた年といえそう。

 MVNOは以前からも多数参入し、多様なサービス提供を行ってきたが、近年参入したMVNOは、SIMカードのみを取り扱い、既存の通信キャリア(主としてNTTドコモ)の端末に、そのMVNOのSIMカードに差し替えることで、従来の料金よりも安価に利用できることを特徴としてきた。ところが、SIMカードの販売といっても、一般的なユーザーの多くはSIMカードの存在さえ知らずに携帯電話やスマートフォンを使っている人も少なくなく、なかなかMVNOの認知が高まっていかなかった。

 そうした中、流通大手のイオンがこのMVNOのSIMカード販売と合わせ、独自に調達した格安スマホとの組み合わせで販売したところ大ヒットとなり、これに続く形で、様々なMVNOが端末と組み合わせるなどして販売することで、消費者にその存在を知らしめていくことができた。

 もちろん、格安SIM & スマホの成功には、大手通信3キャリアが新料金プランに移行し、その料金がやや高めに設定されているからこそ、MVNOが脚光を浴びているという事情もある。また、ガラケーの時代からMVNOは存在していたが、スマートフォンが主流の時代となり、海外の端末メーカーが高性能ながら安価なスマートフォンを供給できる環境が整ったからこそ、消費者に受け入れられる状況になってきたといえるだろう。

 ただし、これらMVNOの存続は、いつまでも「格安」だけでは勝負ができない。大手通信3キャリアが値下げなどしようものなら、ひとたまりもない。MVNOが今後どういった独自サービスで差別化を図るか来年以降お手並み拝見といったところだろう。
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