初のスマホ発表も魅力が感じられない「VAIO Phone」! | RBB TODAY

初のスマホ発表も魅力が感じられない「VAIO Phone」!

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12日に発表された「VAIO Phone」
12日に発表された「VAIO Phone」 全 11 枚
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 日本通信株式会社とVAIO株式会社は12日に記者会見を開催。「VAIO」のブランドから初めてのスマートフォンとなる「VAIO Phone」を共同開発し、日本通信によるモバイル通信サービスとともに提供することを発表した。

■格安スマホじゃない「プレミアムスマホ」をつくった

 会見の壇上に上がった日本通信の三田聖二社長は「本日発表する製品は“格安スマホ”ではなく“プレミアムスマホ”」であると強調しながら、「アップルに対向できるVAIOブランドと協力しながら、通信とハードウェアを一体で取り組むことにより、これまで国内の大手キャリアにもつくれなかった革新的な価値を、わずか半年という期間にVAIO株式会社と一緒に生み出すことができた」と胸を張る。

 VAIOの関取高行社長は、日本通信とVAIOブランドの協業はソニー時代に手がけたコンパクト設計のノートPC「VAIO P」に発端しているとしながら、VAIOブランドによるモバイル通信端末の開発を展開する際、MVNOの草分けである日本通信のノウハウに学びながら、通信とハードのパッケージによる新しい価値をつくることに注力してきたと説明する。関取氏は「VAIOはまだ始まったばかりの会社で、リソースや通信の技術も限定されている。今回のVAIO Phoneは当社がデザインと一部ハードウェアのエンジニアリングを提供し、事業主は日本通信になる。一緒にスクラムを組んでやってきた。今回の発表を皮切りにPCに止まらず、モバイル機器やその先のIoTまで様々なデバイスと通信をつなげていくことにチャレンジしたい」と意気込みを述べた。

 代わって登壇した日本通信の福田尚久副社長は、今年5月に国内でSIMロック解除が義務化されることに触れながら、同社のようなMVNOが今後さらに躍進を遂げるための鍵が、いかにユーザーにとって魅力的な端末を企画・開発していくことができるかという点にあると述べ、VAIOが信頼の置けるパートナーであることを強調する。「今日のSIMフリースマホ市場でユーザーは、ノーブランドメーカーによる低価格端末を消去法で選ぶか、日本メーカーの高機能だけど型落ちしているモデルを選ぶか、いずれかの選択肢しか与えられていない。VAIO Phoneはその間を取った、野球で言うところの“ストライクゾーンど真ん中”の端末。直球で真っ向勝負した」と息巻く。さらには今回の製品・サービス発表の背景にあるものが「日本の市場発展を大手3大キャリアに委ねてしまうのではなく、VAIOと当社による協業モデルを成功事例にしながら、全員参加で頑張ろうという宣言である」とした。

 VAIOからは執行役員の花里隆志氏も登壇した。今回発表されたVAIO Phoneは、VAIO株式会社がハードウェアを1から設計、開発したものではなく、製造は日本通信が海外のEMSメーカーに生産を委託してつくった製品だ。VAIO株式会社ではデザインを中心とした監修のみ行っているため、花里氏のコメントもデザインまわりのコンセプトにとどまる内容だった。花里氏は「ストライクゾーンの“ど真ん中”を追求しながら、スマホの本質である“使い心地の良さ”を徹底追求した。デザインもその本質にフォーカスしながら、あらゆる生活シーンにフィットするよう黒を基調にシンプルかつミニマルな佇まいに仕上げた」と述べている。

■法人向けSIMロックフリー業務スマホの市場も開拓したい

 再び登壇した日本通信の福田副社長は、VAIO Phoneで広げる新領域として、法人向けのSIMロックフリー業務スマホの訴求にも力を入れたいと述べる。そのためには同社がb-mobileブランドで提供している、スマートフォンで「03番号」による発着信が使える「03スマホ」やセキュリティ性に優れる「無線専用線」によるサービスを効果的にアピールしていく考えだ。

 料金プランについては2014年4月に発売したNexus 4と同社の200kbpsのSIMカードの組み合わせによる2,980円/月のプランに、1GBの高速通信を加えて価格を据え置いた「VAIO Phone専用音声SIM」を用意する。さらにはb-mobileの商品として2,780円/月で販売しているデータ上限の無い「高速定額使い放題 音声付」のプランを、VAIO Phone専用音声SIMでは1,980円/月(+端末の分割払い料金)に割り引いて提供する。購入方法は24回分割払いか、51,000円(税別)で本体のみを購入することもできる。本日時点で販路に関する発表はなかったが、出荷は3月20日からはじまる予定だ。
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《山本 敦》

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